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ちょちょら/畠中 恵
畠中 恵
新潮社
¥ 1,680
(2011-03-22)
Amazonランキング: 105015位

JUGEMテーマ:読書

★★★☆(3.5/5)

あらすじ

兄上、なぜ死んでしまったのですか?
千穂殿、いま何処に?
胸に思いを秘め、困窮する多々良木藩の留守居役を拝命した新之介。
だが―、金子に伝手に口八丁、新参者には、すべてが足りない!
そして訪れた運命の日。
新之介に、多々良木藩に、明日はくるか。(紹介文より)

〜感想〜

さて、本作のタイトル ”ちょちょら” とはいったいどういう意味なのか
作者の畠中恵さんの作品のタイトルは、ちょっと変わった可愛らしい言葉が多いですが、意味は何となくわかるようなわからないような。。。(笑)微妙なところがあります。
(そんなふうに思うのは私だけかもしれないですが) でも、ちゃんと本文中にわかりやすく意味が載っているので、江戸語(?)の知識が増えるのが嬉しかったりします

というわけで、”ちょちょら” とは。。。

「弁舌の立つお調子者。 いい加減なお世辞。 調子のよい言葉」 東京出版 江戸語辞典より (本文より)

という意味になります。

本作の主人公、間野 新之介は出来のいい兄が自害してしまい、思いがけず ”江戸留守居役” を引き継ぐことになってしまうのだけど、この江戸留守居役 というのは、世間ではあまりよい噂のない役職だったりします。

その噂とは、 ”藩の財政を傾けるほどに金を使い、豪遊の限りをつくす” とか、”盛り場などで騒ぎを起こす迷惑な輩” 等々。
実際に何もわからないまま、留守居役になった間野も、最初は同じ組の先輩留守居役たちにからかわれたり、いじめられたりであまりよい印象を持っていませんでした。

ところが、少しずつ職場になれていくうちに実際に目に見えている行動には裏の意味があることがわかってきます。 ただの意地悪に思えていた先輩たちの行動も、実は間野に留守居役としての振る舞い方や考え方を教えてくれていたことにも気づき始めて……。

万事にそつがなく、出来がよかった兄がなぜ自害に追い込まれたのか 
真相もわかってくるのだけど、その真相は藩の存続に関わるもので、失敗すれば間野自身もまた兄と同じ運命に追い込むものでした

藩の存続をかけて間野は自らの命をかけて奔走するのだけど……。

小さい頃から出来のよい兄と比べられて軽んじられていた間野が、ひねくれることなく素直に兄を尊敬して慕っていて、江戸留守居役を引き継いだあとも、ひたすら自分の役目を全うしようとする姿に感心しました。

最後まで諦めずに頑張りとおして、最初の頃の頼りなさはすっかりなくなった間野の成長ぶりも感動的でした  ひょっとしたら、シリーズになるかも? と思う終わり方だったので、ちょっと期待してます





| 時代 | 21:09 | comments(0) | trackbacks(0)|- pookmark
石に匪ず<御算用日記13>/六道 慧
JUGEMテーマ:読書


★★★★(4/5)

あらすじ

紀伊国水原家は十年前に二万両あった借財を完済。
今では五万坪の下屋敷を構え、贅沢を奨励する質素倹約禁止令を藩士に申し渡している。
莫大な資産を得た秘密を探るために、数之進と一角は水原家に潜入。
家老格である篠田卯十郎の商才によるものだと突き止めるが…。
なかなか姿を現さない「鯨商人」の謎に迫る!(紹介文より)

〜感想〜

『甚を去る<御算用日記12>』  に続く13作目です。

数之進と一角の今回の潜入先は紀伊国水原家。
莫大な資産を得て、ひょっとしたら幕府そのものをも買い取ることができるのでは 
というほどの権勢ぶりの謎を調べるために御算用者として潜入した二人は、家老の篠田卯十郎の商才によって冨を得たことを突き止めるのだけど、何やら水原家では不穏な気配が漂っていて……
見かけとは違うことが水面下で動いているような、何かがおかしい、という考えが頭を去りません。

といっても、数之進の ”おかしい” は口癖のようなもので、いつも一角のからかいの的になってます。が、これが馬鹿にしたものではなくて、嫌な予感ほどよくあたる、とでもいうんでしょうか……数之進がこの口癖を言うと決まって、騒動が起こることになります

今回は、数之進と一角が一番最初に御算用者として潜入した藩に縁のある人物が登場したり、数之進が報われぬ恋をした五瀬姫のことを思い出させるような出来事があったり、と数之進にとっては心を乱す任務になっています。

最近では、御算用者としてかなり成長して頼もしくなってますが、最初の頃の頼りなかった数之進を思い出して、懐かしくてちょっとほろりとくる作品でした

| 時代 | 20:04 | comments(0) | trackbacks(0)|- pookmark
四色の藍/西條 奈加
西條 奈加
PHP研究所
¥ 1,575
(2011-05-14)
Amazonランキング: 168217位

JUGEMテーマ:読書

★★★★(4/5)

あらすじ

藍染めを手がける紺屋の女将・紫屋環は、三ヶ月前に亭主が殺された事件の真相を知るべく、大店の東雲屋を探っていた。東雲屋の亭主・三左衛門が事件に関わっていると環は確信するが、確証が得られない。そこで環は、同じく東雲屋ゆかりの者に恨みを持つ女たちと出会い、四人で協力して東雲屋に挑むことに。しかし、四人それぞれの愛憎や思惑、環に惚れる同心、藍の産地である阿波藩のお家事情なども絡み、事件は意外な展開を見せていく……。(紹介文より)

〜感想〜

夫を殺された紺屋の女将の環は、真犯人を捕まえて仇をうつために、事件の真相を調べるうちに大店の東雲屋の主人が怪しいと見当をつけるのだけど、ある日、一人の若侍が東雲屋に現れて、ある人物を捜していると言い出します。

店の者のそんな人物は知らないという言葉にじれて若侍は声を荒げて騒ぎになりかけるのだけど、見かねた環が助けに入ります。 そうして、環は訳ありげな若侍と知り合いになるのだけど、その侍が探している人物も東雲屋の主人に関わりがあるようで、環は若侍に自分の事情を打ち明けてお互いに協力しあうことに。

ほかにも東雲屋に関わりのある人物に恨みのある女二人も加わって、主の三佐衛門の悪事の証拠をつかもうと調べ始めるのだけど……。

それぞれに辛い過去を持つ女たちが、共通の目的の為に協力しあいながら、お互いに心を許しあって癒されていく様子に切なくも暖かい気持ちになりました
最後は環にとって辛い結末になってしまうんですが、それでも 頑張って生きていこう と思えるよい話でした

| 時代 | 21:28 | comments(0) | trackbacks(1)|- pookmark
謙信の軍配者/富樫 倫太郎
富樫 倫太郎
中央公論新社
¥ 1,575
(2011-07)
Amazonランキング: 24806位

JUGEMテーマ:読書


★★★★(4/5)

あらすじ

曾我冬之助は新たに宇佐美姓を名乗り、若き長尾景虎(上杉謙信)の軍配者となる。
しかし実際に戦況を支配していたのは「毘沙門天の化身」景虎その人だった。
常識外れの発想で勝ち続ける天才・景虎に、足利学校の兵法は通用するのか?冬之助の旧友・山本勘助が率いる武田軍との攻防が続く―。(紹介文より)

〜感想〜

『信玄の軍配者<軍配者シリーズ2>』 に続く3作目、完結巻です。

『早雲の軍配者』 では北条の軍配者、風摩小太郎、 『信玄の軍配者』 では武田の軍配者、山本勘介(四郎左) が主人公でそれぞれがいかにして軍配者になっていったか、が語られていました。

本作はそんな2人の旧友にしてライバルでもある、曽我冬之助が主人公です。  
山本勘介によって命永らえることになった冬之助は ”足利学校” で共に学んだ直江のつてで、長尾景虎(のちの上杉謙信)もとで ”宇佐美”と名前を変え軍配者として生きることに。
いつの日か、軍配者として思う存分、勘介と小太郎と戦うことが生涯の目標となるのだけど、生憎と主君の景虎は冬之助の軍配者としての知恵も計画も必要としないほどの戦上手。
しかも、戦いのセオリーが通用せず、まさか と思うような時でも勝ったりします。

自分の軍配者としての補佐は必要ないのでは、と思う冬之助だったのだけど、”天は二物を与えず” という言葉もあるとおり、景虎は戦のこと以外になるとさっぱりで……
なので、領民たちの不満を理解できず謀反を起こされたりすることも。
しかも、景虎本人はあくまでも ”義” を大事にして清廉潔白な人物なので、家臣たちが戦の褒美を欲しがったりする気持ちを理解することができません。
逆に、欲をあからさまにする家臣たちに憤り軽蔑し、自分の志が伝わらないことに絶望してしまいます。 そうして、いよいよすべてに嫌気がさした景虎は ”出家する” と宣言します

慌てたのは家臣たち。
最初は、脅し だとのん気にかまえていたものの、あいにくと景虎は本気です。 そうして、「新しい主君を選べ」 と家臣たちに告げた景虎は、数ヶ月待って本当に姿を消してしまいます。 流石に家臣たちも真剣になり、なんとか景虎に戻ってもらおうと自分たちの行いを改めて、景虎に懇願してやっと戻ってもらえることに。

その間、冬之助は家臣たちの景虎という人物に対する理解力のなさに呆れながら傍観していたのだけど、戻ってきた景虎は以前の迷いをなくし人間的にも成長したようで、さらに戦では信じられない強さを発揮することになります。そんな景虎に敬服した冬之助は改めて彼についていこう、と気持ちをかためるのだけど……。

本シリーズは小太郎、四郎左、冬之助 の三人が軍配者として成長していく様子を読むのが面白いんですが、同時に彼らがそれぞれ仕える主君たちの違いを比べるのも楽しみの一つかな、と思います。 でも、どうも私は今回の主君の長尾景虎は好きになれないというか……。
確かに清廉潔白で利己的な思いはこれっぽっちもない人物ではあるのだけれど、でも、自分のものさしだけで ”良い” ”悪い” を決め付けているような気がして
そんな景虎にしてみれば、”究極の悪” が武田晴信(信玄)となるようで、とにかく ”晴信憎し”  の一念で戦い続けているような感じです

個人的な好みでいえば、景虎よりも晴信のほうが人間らしく思えてしまうので、困ったことに景虎が勝ってもあんまり嬉しくなかったり
冬之助にしても、景虎が戦いに強いのであまり見せ場がなくて。。。
信玄の軍配者の山本勘介(四郎左)のほうが存在感があったような気がします。 

本シリーズのそれぞれの巻で活躍した、小太郎、勘介、冬之助でしたが、でも、全編をとおして一番印象が強かったのは山本勘介でした。 実は、彼こそが影の主人公だったんじゃないのかな、と思ったり。
それだけ勘助の生き方は胸に残るもので、最後は彼の運命の切なさに涙せずにはいられませんでした

十代の頃に出会い、それぞれ紆余曲折を経て軍配者になった3人が迎えた結末は、切なくて哀しいものでした。 ただ、3人がお互いに対して抱いていた友情はかけがえのないだったんだな、ということはしっかり伝わってきて、哀しさのなかにも不思議な清清しさが残る作品でした。


| 時代 | 20:48 | comments(0) | trackbacks(1)|- pookmark
徒目付失踪<徒目付久岡勘兵衛シリーズ16>(完)/鈴木 英治
JUGEMテーマ:読書

★★★★(4/5)

あらすじ

勘兵衛の組仲間が、修馬も含めて十三人、忽然と姿を消した。
組頭代行を任ぜられた自分に対する嫌がらせなのか?ふと疑念を覚えた勘兵衛だったが、上役の目付・崎山伯耆に相談し、仲間の行方の探索に向かうことになった。
誰が何の為にこんな真似をしたのか。
勘兵衛は、大切な仲間と愛する家族のために一人奮闘する。(紹介文より)


〜感想〜


 『罪人の刃<徒目付久岡勘兵衛シリーズ15>』 に続く16作目、シリーズ完結巻です。

今回はなんと、勘兵衛の組の徒目付十三人が全員失踪するという大事件が起こります 
どちらかというと、まだまだ新参者に近い勘兵衛が組頭代行という重要な役割をするこに対する嫌がらせか とも思えたのだけど、その中に修馬も含まれていたことから、”それはあり得ない” ということがわかります。 徒目付たちの失踪のことを聞いた人は、一番に ”嫌がらせ”  の可能性を思い浮かべるのだけど、修馬のことを考えて即座に ”あり得ない” と皆が皆否定するのがおかしかったです 修馬はとにかく勘兵衛が大好き(笑)なので、そのことは周囲の人々も重々承知ということらしいです

とはいっても、ならば十三人もの徒目付の失踪の裏にはどんな事件が隠されているのか

同心の七十郎も勘兵衛のことを心配するのだけど、あいにくと別の殺人事件を調べるので手が放せません。 勘兵衛は一人奮闘することになるのだけど……。

思いがけず裏には大物が隠れていて調べている途中に、妻の美音、娘の史奈、乳母のお多喜が誘拐 されたりもして、かなり苦労することになります。 勘兵衛の相棒に修馬がなったのは、それほど前ではないのだけれど、いつの間にか隣にいるのが当たり前の存在になっていたんだな、としみじみ感じる話でした。

同時に今回の失踪事件で他の徒目付たちと勘兵衛の絆も深まったようで……これからのますますの活躍が想像できる素敵な終わり方でした。 これで完結というのは残念ですが、楽しくて爽やかな気持ちにさせてくれるシリーズでした

| 時代 | 13:49 | comments(0) | trackbacks(0)|- pookmark
罪人の刃<徒目付久岡勘兵衛シリーズ15>/鈴木 英治
鈴木 英治
角川春樹事務所
¥ 700
(2010-06)
Amazonランキング: 321498位

JUGEMテーマ:読書

★★★☆(3.5/5)

あらすじ

罪人に同情し、逃走の手助けをしたとして、同心の稲葉七十郎が蟄居を命じられてしまった。
さらに、罪人から金を受け取っていた証拠が発見され、七十郎は引ったてられてしまう。
一方、勘兵衛の上司、飯沼麟蔵が病に倒れてしまう。
数日前に麟蔵から、代役を言い渡されたばかりだった。
そして、その直後に勘兵衛は、七十郎が捕縛されたことを知り愕然とする。
七十郎は、そんな男ではない…。
修馬とともに、勘兵衛は、七十郎の濡れ衣をはらそうとするのだが―。(紹介文より)


〜感想〜


 『からくり五千両<徒目付久岡勘兵衛シリーズ14>』 に続く15作目です。

今回は、七十郎が大変なことになってます。罪人に同情するような事件が発生するのだけど、その後、当事者が自首してきます。
その罪人を捕らえにいく同心に同行した七十郎だったのだけど、突然罪人が抵抗して同僚を刺して逃亡。
呆然とする七十郎だったのだけど、その後、七十郎が罪人に同情してわざと逃がしたと疑いをかけられて、蟄居を命じられることに
そのことを知った勘兵衛と修馬は疑いを晴らそうと調べることにするのだけど、その間に事態はさらに悪化。

今度は、七十郎が賄賂を受け取っていたという疑いをかけられて……。
何者かが、悪意をもって七十郎を罠にかけたと察した勘兵衛たちは、同僚の同心たちの中に怪しい人物がいないかを密かに探り始めるのだけど……。

そんな状況で、勘兵衛の上司の飯沼が突然倒れてしまい、勘兵衛が代役を務めるよう言われます。
勘兵衛自身も大変な状況の中、修馬と二人で七十郎の無実を証明するために一生懸命になる勘兵衛たちの姿にじ〜んときました
友達っていいなあ、としみじみ暖かい気持ちになる話でした

次はいよいよシリーズ最終巻、 『徒目付失踪<徒目付勘兵衛シリーズ16>』 です。


| 時代 | 23:02 | comments(0) | trackbacks(0)|- pookmark
からくり五千両<徒目付勘兵衛シリーズ14>/鈴木 英治
JUGEMテーマ:読書

★★★★(4/5)

あらすじ

四ッ谷の辻に五千両が置かれていた。
そこには「御救米の購入に充てるべきものなり」と書かれた一枚の紙が残されていた。
稲葉七十郎が番所に持ち帰り、とりあえず南町奉行所で預かることとなった。
一方、立てこもりの知らせをうけて高島君右衛門の屋敷に向かった勘兵衛と修馬たち。
だが、おびただしい血が流れていたものの、殺されたと思われる当主と、殺したと思われる小普請組の三木晋左衛門の姿がなかったのだ…(紹介文より)

〜感想〜

『女剣士<徒目付久岡勘兵衛シリーズ13>』 に続く14作目です。

四谷の辻にある日突然おかれていた五千両ものお金。 いったい、何者がこんなことをしたのか? とりあえず奉行所で預かることになったものの、七十郎はどうも今一つ腑に落ちないものを感じて……。

一方、勘兵衛たちは立てこもり事件の現場に事態を収拾するために駆けつけるのだけど、当の犯人と当主の姿は見あたらず……
二つの事件がどんなふうに絡まっていくのか? 
いつものことながら、七十郎、勘兵衛たちが調べる様子を追っていくのが楽しかったです

途中、勘兵衛と美音の愛娘の史奈が熱を出して、なかなか治らないという緊急事態がありましたが、修馬が紹介してくれた名医のおかげで無事に快復。
お調子者ではあるけれど、肝心な時にはちゃんと頼りになる修馬が素敵でした
でも、その名医を知ったのは自分が酔っぱらって正体をなくした時に助けてもらったから、という理由だったのには笑いました

なにはともあれ、史奈が快復してホッとしました。
名医の名前は有安というんですが、なにやら曰くありげな雰囲気の持ち主。ひょっとしたら、作者の鈴木英治さんのほかの作品の登場人物? なんて、ふと思ったりしました。
そのうち、確かめるためにほかの作品も読まなければ(笑)

最近では、勘兵衛と七十郎が事件を解決していく課程や、犯人との立ち回り以上に、修馬の恋の行方が気になって仕方ないんですが、嬉しいことに前作で登場した女剣士のお利衣と上手くいっているようです。
勘兵衛が危険にさらされた時には、大声で叫んで知らせてくれたりもして。
修馬とはお似合いのような気がします

次は 『罪人の刃<徒目付久岡勘兵衛シリーズ15>』 です。


| 時代 | 22:43 | comments(0) | trackbacks(0)|- pookmark
女剣士<徒目付久岡勘兵衛シリーズ13>/鈴木 英治
鈴木 英治
角川春樹事務所
¥ 680
(2009-07)
Amazonランキング: 369160位

JUGEMテーマ:読書

★★★☆(3.5/5)

あらすじ

発見された男女の死骸。
二人とも、正確に心の臓を貫かれており、下手人はかなりの手練であることがわかった。
南町奉行所同心の稲葉七十郎は、早速探索に入るのだが、そのさなか、不審な女に出会う。
一方、徒目付・久岡勘兵衛は、従目付頭の飯沼麟蔵より、行方不明となっている大目付の家臣の探索を命じられる。
聞くところによると、行方不明の家臣は、二年前にある大名家を取り潰しに追い込んだのだというのだが…。(紹介文より)

〜感想〜


『相討ち<徒目付久岡勘兵衛シリーズ12>』 に続く13作目です。

前作で、女にだまされてひどい目にあった修馬でしたが、新しい出会いがあったようで(笑)、お利衣という聡明そうな娘といい感じになっています。
今度こそは、上手くいってほしい、と勘兵衛と一緒に祈ってしまいました

今回の事件は、心中に見せかけて殺された男女の死体が発見されたことから始まります。この事件を調べるのは七十郎で、勘兵衛たちは行方不明になっている大目付の家臣の創作を飯沼から命じられます。 
どうやら、役目にまつわる恨みが原因らしいことがわかってくるのだけど、調べが進むうちに勘兵衛は何者かに襲撃される羽目に その後、再び襲撃されて逆に捕まえた勘兵衛が相手から詳しい話を聞くと、何者かに勘兵衛を殺すよう依頼された、と教えられます。

心当たりがない、という勘兵衛を修馬がせっつくと……一つ一つはたわいのない出来事ではあったものの、数件思い当たることがでてきて……。
行方不明になった大目付の家臣の捜索をしながら、勘兵衛を狙う相手の手がかりもおっていくことに。

そうするうちに、行方不明の家臣を見つけだすのだけど、すでに遅く相手は殺されてしまったあと ただ、そのやり方は七十郎が追っている事件と似たところがあって、勘兵衛たちは七十郎たちと協力することになります。

すると、事件の裏には大名の抜け荷が絡んでいることがわかるのだけど、相手は勘兵衛たちを罠にかけて亡き者にしようとします。流石の勘兵衛も修馬の助けがあっても、二十人もの相手すべてを倒すことはできず、あわや! というその時、謎の女剣士が現れて救われます。

すぐに姿を消した女剣士だったのだけど、七十郎が持っていた似顔絵から、修馬とつきあい始めたお利衣だとわかり……。

……また利用されちゃったの、修馬!
と、つい心の中で叫んでしまいましたが、今回は、ちょっと違ってました(笑)
善人とも言い切れないですが、少なくとも悪人ではないようなので、ほとぼりが冷めた頃、再び修馬の前に現れそうな気がします 
次は 『からくり五千両<徒目付久岡勘兵衛シリーズ14>』 です。


| 時代 | 22:34 | comments(0) | trackbacks(0)|- pookmark
相打ち<徒目付久岡勘兵衛シリーズ12>/鈴木 英治
JUGEMテーマ:読書


★★★☆(3.5/5)

あらすじ

赤坂裏伝馬町で人が死んでいるという通報を受け、稲葉七十郎は現場へ駆けつけた。
死体の顔は執拗なまでに潰されており、死因は刃物で胸を一突きされたものだった。
一方、飯沼麟蔵に呼び出された久岡勘兵衛と山内修馬は、行方不明となっている旗本の探索を命じられる。
男の名は笠谷岸右衛門。
七十郎が追っている顔を潰された男を思い出した勘兵衛は、早速旗本の屋敷に向かい男の母親に話をきくのだが…(紹介文より)


〜感想〜

『天狗面<徒目付久岡勘兵衛シリーズ11>』 に続く12作目です。

前作で祝言が延期になった七十郎と早苗でしたが、事件解決後改めて祝言のやり直しとなりました。 今では、甘い新婚生活を送っています……羨ましくなるほどです(笑)

そんな二人とは裏腹に不幸せなのが修馬。
早苗に振られてから上司の飯沼の姪の夕希とお見合いして、いい雰囲気になりかけていたものの、前回の犬飼道場と徳島道場の試合をみた夕希がなんと左源太に惚れてしまったようで……。
左源太も夕希の美しさに魅せられて、憎からず思っているのがわかります。

……つくづく、ついてないというか、縁がないというか。修馬も愛嬌があって側にいると楽しくなる、そんないい男なんですけどねぇ
今回は、そんな修馬の心の隙をつくかのように、妖艶な美女が現れるのだけど、でも、実はその美女は密かな目的があって修馬に近づいてきていました。

そうとは知らない修馬は、やっときた春(笑)に舞い上がってしまいます。心配した勘兵衛は忠告するのだけど、修馬は左から右へ聞き流してしまいます。 ところが、修馬が関わった女は七十郎が調べている事件の犯人の手先だったことがわかり……。
踏んだり蹴ったりの修馬でしたが、途中で正気を取り戻して勘兵衛に相談したことで、最悪の事態は避けることができました。へたしたら徒目付のお役は御免で切腹、という事態にもなりかねなかっただけに、最後は本当にホッとしました

”出来の悪い子ほど可愛い” なんて言葉がありますが、まさしく修馬のことだ、としみじみ思う話でした(笑)
次は 『女剣士<徒目付久岡勘兵衛シリーズ13>』 です。

| 時代 | 23:01 | comments(0) | trackbacks(0)|- pookmark
天狗面<徒目付久岡勘兵衛シリーズ11>/鈴木 英治
JUGEMテーマ:読書
 
★★★☆(3.5/5)

あらすじ

七十郎と早苗の祝言のさなか、人殺しの知らせが入った。
婚礼衣装のまま、勘兵衛や修馬たちとともに必死に駈ける七十郎。
殺された男は、背後から心の蔵を一つきされていた。
そして死者のかたわらには天狗面が。 これは何を意味しているのか。
一方、道場同士の三年に一度の剣の勝ち抜き試合が行われようとしていた。
勘兵衛の通っていた徳島道場の大将は佐源太だったが相手の大将と以前戦った勘兵衛は不安を感じていた。 そんな中で、敵方の道場の副将が殺されてしまう。
誰が何のために殺したのか?(紹介文より)

〜感想〜


『遺痕<徒目付久岡勘兵衛シリーズ10>』 に続く11作目です。

今回は、おめでたいことに同心の七十郎と早苗が祝言を挙げるところから始まります。早苗の実家は千百石の大身の旗本なので、本来なら町方の同心の七十郎とは釣り合いがとれないのだけど、当事者の二人と友人たちにはどうでもいいこと。

幸いにも、早苗の両親もそういったことにはこだわらず本人の気持ちを汲んでくれています。修馬は少しだけ複雑な気持ちになったようですが、周囲の心からの祝福を受けていよいよ式が始まる……という時に、事件の知らせが 式の途中とはいえ、事件が起きれば駆けつけるのが七十郎を始め町方の役割です。残念ながら、式は延期になってしまうのだけど、それでも怒ることなく気持ちよく送り出した早苗が素敵でした

祝言の場から事件現場にかけつけた七十郎は刃物で殺された男のそばに天狗面が落ちているのを目にします。 一体なぜこんなところに落ちているのか? 事件になにか関わりがあるのか殺された男の手がかりを追いながら、天狗面の持つ意味を探っていく七十郎だったのだけど……。

一方、勘兵衛たちは七十郎たちに探索を任せて何かあったときには手助けをする、という立場で見守ることになります。
とはいっても、事件のことはやはり気になります。現場に落ちていた天狗面の意味を考えたりして話し合うのだけど、修馬の突飛すぎる推理がおかしかったです。
どうも ”徒目付” にしては天真爛漫というか(笑)……でもまあ一緒にいると癒される存在であることは確かで、そんなところが生真面目な勘兵衛とあうのかもしれません

そんなふうにしながら、いつもの見回りにでた勘兵衛たちは、部屋住み時代によく通っていた剣術道場のライバル関係にあった徳島道場の門弟、堂島に出くわします。
三年に一度の勝ち抜き試合で、かつては勘兵衛も剣を交えたことのある堂島は、今回の試合では勘兵衛がいないため、楽勝だというようなことを言ってきて……。

今では徒目付となった勘兵衛が勝ち抜き戦に出場することはできないのだけど、今の道場で一番の遣い手である左源太の腕では堂島には勝てない。
そう思った勘兵衛は不安になり、左源太の様子を見に行くことに。

いざ、立ち会ってみると想像以上に左源太の腕が上がっていて、勘兵衛は驚きます。でもそれでもまだ堂島のほうが腕は上。
なんとか、左源太を勝たせたいと思う勘兵衛だったのだけど、徳島道場の二番目に腕の立つ侍が殺されるという事件が発生。

犯人は道場の者なのか
相手が侍ということもあり、勘兵衛たちが調べることになるのだけど……。

部屋住時代からの勘兵衛の友人で今も顔を出すのは左源太だけになりました。一時は自暴自棄になったりもした左源太も、今ではかなり頼もしくなり、剣の腕前もなかなかのものになっています。
以前より一回り成長した左源太の、潔い態度が読んでいて気持ちよかったです

最後のほうの勝ち抜き戦の試合の様子にわくわくさせられました。
事件も無事に解決して、爽やかな気持ちになる終わり方がよかったです
次は 『相打ち<徒目付久岡勘兵衛シリーズ12>』です。

| 時代 | 22:48 | comments(0) | trackbacks(0)|- pookmark


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第三弾♪ コフィン・ダンサー(ジェフリー ディーヴァー, Jeffery Deaver, 池田 真紀子) / リンカーン・ライムシリーズ<br />
第二弾♪ ボーン・コレクター(ジェフリー ディーヴァー, Jeffery Deaver, 池田 真紀子) / リンカーン・ライムシリーズ<br />
第一弾♪ みぃつけた(畠中 恵) / いっちばん(畠中 恵) / ちんぷんかん(畠中 恵) / うそうそ(畠中 恵) / おまけのこ (新潮文庫 は 37-4)(畠中 恵) / ねこのばば(畠中 恵) / ぬしさまへ(畠中 恵) / しゃばけ (新潮文庫)(畠中 恵) / 風神秘抄(荻原 規子) / 薄紅天女(荻原 規子) / 白鳥異伝(荻原 規子) / 空色勾玉(荻原 規子) / () / シャドウ・ファイル/狩る (ハヤカワ文庫NV)(ケイ フーパー) / シャドウ・ファイル/潜む (ハヤカワ文庫NV)(ケイ フーパー) / シャドウ・ファイル 覗く (ハヤカワ文庫NV)(ケイ フーパー) / ファントム〈上〉(スーザン ケイ, Susan kay, 北条 元子) / ファントム〈下〉 (扶桑社ミステリー)(スーザン ケイ) / 素材満載 ブログで作る かんたんホームページ [CD-ROM付き](浅岡 省一) /