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キース トムスン
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あらすじ
父がスパイだった?それも辣腕?競馬狂いで借金まみれのチャーリーは、金目当てで認知症の父を引き取ってから次々と奇怪な出来事に見舞われる。
尾行、誘拐未遂、自宅爆破に謎の殺し屋の出現。
あげく殺人犯に仕立てられ逃げ回る羽目に…。
父は普通の営業マンではなかった?疑念は募る。
普段のアルツハイマーの気配も見せす、鮮やかに危機を切り抜ける父の姿を見るたびに―。(紹介文より)
〜感想〜
競馬狂のチャーリーは、借金がかさんで返すあてもなくギャングに痛めつけられる運命が待ち構えていたのだけど、そんな時にアルツハイマー病に冒された父親のドラモンドについてケースワーカーから連絡を受けます。父親とは疎遠になっていたことから、最初は無視しようとするものの、後見人になると父親の財産を使うことができることを知って、引き受けることに。
ところが父親と一緒に暮らし始めた途端、次から次へと周囲に不可解な出来事が起こり始めて……
家は爆破され、正体不明の人物に命を狙われて追われる羽目に。
何が何やらさっぱり??? のチャーリーだったのだけど、銃を持った殺し屋相手にアルツハイマーのはずのドラモンドの態度が豹変。
目にも留まらぬ早業で反撃して殺し屋を返り討ちにします。
洗濯機のセールスマンのはずの父親の姿とのギャップに戸惑うチャーリーだったのだけど、執拗に追ってくる殺し屋たちから逃げるうちに父親の本当の姿は腕利きのスパイだったことがわかります。 残念ながら、アルツハイマーというのは本当のことで、危機をすりぬけたあとは元のぼ〜っとした態度に戻ってしまうのだけど、チャーリーの身に危険が及ぶと何故か意識がはっきりするようで……。
ドラモンドはどんな危険な状態からでもチャーリーを守り続けます。
でもいったい何故、父親の命が狙われるのか
チャーリーを守るとき以外は、記憶がはっきりせず理由を突き止めようにもどこから手をつけてよいのやら
それでも、とにかくドラモンドと協力して追っ手をかわして逃亡劇を続けるチャーリーだったのだけど、敵を逆に捕らえて質問したりドラモンドの知識を頼りに手がかりを追ううちに少しずつ事情がわかってきます。
そうして、ドラモンドと一緒にピンチをくぐりぬけるたびにチャーリーはしずつ父親に対しての愛情を取り戻していくのだけど……。
……アルツハイマーのスパイって、いったい
と、思わずにはいられなかったのだけど、これが意外と面白くて最初から最後まで一気に読んじゃいました。 時々、正気にはなるものの、いつそうなるのかはチャーリーにはわからず、結構苦労するのだけど、それでもどこか危機感のないドラモンドとチャーリーのやりとりが笑えました
どちらかというと、人生に失敗した人物、
というイメージが強かったチャーリーが、実はなかなかしっかりしていて、父親思いの愛情深い息子というふうに変わっていく様子は微笑ましくて、チャーリーとドラモンドが不器用ながらみせる父子愛にはほのぼのしました
最後まで、チャーリーとドラモンドの2人が助かるのかどうかわからず、ハラハラドキドキさせられましたが、ありがたいことにスッキリした気持ちになれる結末でした
最後の最後で+1名が仲間に加わったので、次は3人の活躍が楽しめるのではないかと思います♪ 次の巻も出版されることを願って