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ジェイムズ・バイロン ハギンズ
東京創元社 --- (2003-04)
Amazonランキング:
709897位
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ジェイムズ・バイロン ハギンズ
東京創元社 --- (2003-04)
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★★★★(4/5)
あらすじ
アイスランド沖の孤島の地下洞窟で、民間の防衛産業と合衆国政府が秘密裏に開発していた、究極の生物学的軍事抑止力―暗号名“リヴァイアサン”。
だがそれは、開発陣の予想を超えた能力を発現させ暴走をはじめた。
しかも島には、怪物が洞窟を脱出したなら起動するよう、核自爆装置がセットされていたのだ。
タイムリミットは24時間。(紹介文より)
〜感想〜
遺伝子操作によって作り上げられた生物兵器 ”リヴァイアサン”
太古のドラゴンに似た生き物は、科学者たちの思惑を超えて驚くべき進化を遂げてしまいます。 自らの遺伝子を変化させ、弱点を克服し科学者たちに与えられた ”存在理由” ……敵対する人間を抹殺する、という目的を果たすため閉じ込められている洞窟から脱出を図ります。
本当なら、リヴァイアサンを制御するための措置をする予定だったのだけど、その予定よりも早くリヴァイアサンが自ら進化を遂げてしまった事で、何者にも止めることが不可能になってしまいます。 そのことに危機感を抱いたプロジェクトの責任者フランクは、実験を中止しまだ間に合ううちにリヴァイアサンを殺すことを望むのだけど、資金提供者が承知しません。
あくまでも、実験を続けるように命令するオーナーに結局逆らうことができず……。
警備を担当しているチェスタトンもフランクに賛成するものの、やはりオーナーの意向には逆らえず渋々受け入れます。
そうして、リヴァイアサンが脱走しようと企んで破壊した機器の修理を、電気技術者のコナーに依頼します。 リヴァイアサンのことは軍事機密だったことから、コナーは詳しい話を聞かされないのだけど、何かがおかしい、と気づきます。
そうして、自分なりに調べた結果、何かよくないことが起きていることを確信。 妻子を連れて、研究施設を出ることを考えるのだけど、その矢先に再びリヴァイアサンが暴れ出して……。
コナーは、リヴァイアサンを倒すための戦いに巻き込まれてしまいます。
科学者のフランク、電気技術者のコナー、警備を担っているチェスタトン、そして、コナーの友人のトールはリヴァイアサンを倒すために死力をつくすことになるのだけど、あまりにもリヴァイアサンは強すぎて……。
コナーたちがリヴァイアサンを倒すために、それぞれの得意分野を生かしてあの手この手で戦う様子に感心しました。 そうして、守るべき者のために最後まで諦めずに戦い続けた彼らの姿がとても感動的でした
他の作品にも興味を持ちました。
『極北のハンター』 (上下)(※平静23年5月28日UPしました♪) 『殺戮者カイン』 (上下) もそのうち読んでみたいと思います。
★★★★☆(4.5/5)
あらすじ
ボブはヴェトナム戦争で87人の命を奪った伝説の名スナイパー。今はライフルだけを友に引退生活を送る彼のもとに、ある依頼が舞い込んだ。精密加工を施した新開発の308口径弾を試射してもらいたいというのだ。弾薬への興味からボブはそれを引き受け、1400ヤードという長距離狙撃を成功させた。だが、すべては謎の組織が周到に企て、ボブにある汚名を着せるための策略だった……。(紹介文より)
前置き
映画の 【ザ・シューター/極大射程】 を先に観て、面白かったので原作も読もうと思ったのですが、でもその前に、まずは原点にあたるという 『魔弾』 から。
こちらは追いつ追われつの緊迫感と最後までどちらが生き残るのかがわからず、ハラハラしながら読みました。
なかなかの読み応えだったので、本作品にもかなり期待してました。
で、読んでみたら…… 面白いっ あっというまに最後のページになってました
〜感想〜
映画である程度作品の雰囲気はつかめていたのだけど、原作の主人公、ボブ・リー・スワガーが、ず〜っとカッコイイ
こちらの方を先に読んでいたら、映画のほうのマーク・ウォルバーグでは物足りなくて、思ったほど楽しめなかったかもしれません。そういう意味では映画の方を先に観てよかったと思います
愛国心に訴えられ、胡散臭い依頼を受けたスワガーだったのだけど、案の定その依頼はスワガーを犯人にしたてあげようとする罠でした。
暗殺者として追われることになったスワガーは、逃亡しながらもFBI捜査官メンフィスの協力を得て、相手を追いつめていきます。
スワがーのそのやり方が凄く周到で緻密。
すべての事柄に対して常に起こりうる事態を想定し、そのことに対してすぐに対処できるように備えているので、絶体絶命か という場面でも、見事な手際で切り抜けていきます。
その対処方法をとおして、スワガーという男が何を考えてどう生きてきたのか、が、よくわかるし、彼のとる行動の一つ一つに感心させらます。
とにかく、ボブ・リー・スワガー という男がすごく魅力的。
自分だけの確固としたルールを持っている彼は、他人が何を言おうとお構いなしで、自分の信じることをやり遂げるだけ。
いったい、どうやったら、こんなふうになれるんだろう?
そう思うくらい、迷いがなく首尾一貫しています。
どうやら、彼の父親の教えが基本になっているらしいのだけど……。
「どうして、あなたみたいな人がいつもそんなふうに一人ぼっちでいなくてはいけないの?(中略) ”男らしさ” なんてそれが何になるというの? 私には理解できない」 (本文より)
「おれには上手く説明できないけど。確かに馬鹿げているかもしれない。 でも、俺はこう教えられてきたんだ。 自分や自分の大切なものを傷つけようとしている相手以外は誰も傷つけてはならない。 おれに行くべき道を教えてくれるものは指し示してくれるのはその言葉だけだった。 それと、自分の義務だと思えることをする。 ― このふたつのルールを守ってさえ入ればおれは何とかやっていけるんだ」 (本文より)
亡くなった親友ドニーの妻だったジュリーとの会話なのだけど、この会話だけでスワガーの父親に対する興味を引かれてしまいます。
いったいどんな父親だったのか……?
すごく気になりますね
それにしても、この二つのルールは言うほど簡単じゃないと思うのだけど、でも、そんな父親の教えに従って生きてきたスワガーにとっては、多分当たり前のこと。
だからこそ、愛するものが傷つけられたとき、彼は容赦なく敵を追いつめていくことができるんでしょうね。 人によってはそんな彼を理解できないだろうし、何よりも人から恐れられることになると思うけれど、それすらもスワガーは受け入れてしまっています。
そんなスワガーに振り回されたFBI捜査官のメンフィスは気の毒 だったのだけど、スワガーの徹底したやり方にスカッとさせられました
オススメです
父親のアール・スワガーを主人公にした作品も出ているので、ゆっくりこのシリーズも読んでいこうと思っています。感想を載せるのは大分あとになりそうですが。。。
あらすじ
ユダヤ人シュムエルが移送された先は、ドイツ南西部にある収容所だった。ある夜のこと、作業中の囚人たちが漆黒の闇の中で次々と倒れていった。ただ一人逃げ延びた彼は、仲間が絶対不可能なはずの狙撃の標的にされたことを知る。一方、米国陸軍大尉リーツは、銃器の発注書からドイツ軍が要人暗殺を極秘裏に計画中だと気づくが……。(紹介文より)
〜感想〜
以前、映画化された 【ザ・シューター/極大射程】 の原作 『極大射程』 の原点になった作品 っていうことで、読んでみました
銃火器の担当の米国陸軍大尉リーツは、早い段階からドイツ軍の暗殺計画を推測していたのだけど、最初のうちは証拠がないことから上司は信じてくれず、調査をすることができない。そんなある日、ただ一人虐殺から逃れてきた生存者シュムエルの存在を知り、一転、暗殺計画を阻止するように命令される。
そうして、リーツは一人のドイツ人将校の存在を突き止める。彼はロシア軍との戦闘時に一人で345人もの兵士を倒し、 ”狙撃の名手” と呼ばれる英雄だった。
リーツはシュムエルの協力を得て、狙撃手のドイツ人将校レップを追いつめていくのだけど、相手は一筋縄ではいかない強者。
追っているはずが逆に追いつめられる羽目になり、絶対絶命のピンチに
とにかく何がなんでも暗殺を阻止しようと、なりふり構わず追っていくリーツの執念が凄いです。自分が犠牲になるのも想定内で覚悟の強さがヒシヒシ伝わってきます。
最後の最後まで、どちらが生き残るのかがわからなくて、読んでいて本当にドキドキしました
レップについては名手というだけあって、いったん銃を手にした時の彼の手際のよさには感心させられました。ただ、彼はドイツ人以外は人間じゃないと思い込んでいて、子供だろうと女だろうと躊躇なく撃つ事ができます。
正直なところ、人間的には尊敬できない人物でした [:がく〜:]
ただ、戦争時の話でもあるので、それぞれの立場を考えるとそれも仕方ないのかもしれません。普段から、そういうふうに教育されていたとしたら、疑問に思うことはなかなか難しいかもしれないですね。
狙撃手のレップにしても戦争がなければ、愛国心旺盛な好青年って感じですんだだろうし。そんなふうに思うと、ユダヤ人のシュムエルの運命はもちろん、狙撃手の運命すらも悲しく思える結末でした