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氷の戦士と美しき狼<サイ=チェンジリングシリーズ3>/ナリーニ・シン
ナリーニ・シン
扶桑社
¥ 1,100
(2010-12-01)
Amazonランキング: 5086位

JUGEMテーマ:読書

★★★★(4/5)

あらすじ

ブレンナは狼チェンジリング“スノーダンサー”のメンバー。
誘拐監禁事件の被害者である彼女は、救出されてからも深い心の傷と謎の後遺症に苦しめられていた。
そんなブレンナの心のよりどころは、群れでともに暮らすサイのジャッドだ。
一方でジャッドもまた、彼女のそばにいると凍った心の奥底が震えるのを感じていた。
しかしジャッドには誰にも知られてはならない秘密があった…。(紹介文より)

巻末に特別短編など二編を収録♪

前置き

待ちに待った<サイ=チェンジリングシリーズ> の第三弾が出ました 嬉しい〜  今回のヒーローは、サッシャと同じように ”サイ” の <サイネット>から離脱したローレン一家のジャッドなんですが、このジャッドは前作 『冷たい瞳が燃えるとき』 のヒロインのフェイスがちらっとほのめかしていたように、きわめて危険な人物でもあります。

<サイネット社会> の中で、危険人物とみなされた存在を排除する役目を担っていた ”アロー部隊” の中でも精鋭中の精鋭で、かなり特殊な能力の持ち主。 その特殊な能力の危険性ゆえに、”感情” を持つことは絶対に許されず、またジャッド自らが望んで感情を排除するプログラム”サイレンス” に従うことを選んでいます。

そんなジャッドの心を取り戻すのは並大抵の苦労じゃありません。
いったい、どんなヒロインがジェッドの氷をとかすのか?
かなり熱い攻防がくり広げられるんじゃないのかな、とワクワクしながら待っていたので、本当に嬉しいです♪

でも……ここからはちょっとグチになっちゃうんですが、同じナリーニ・シンさんの他社からでている 『青の瞳を持つ天使』 が、続編が出ないということがわかって…… すごくがっかりしてます 

とにかく続編が出るのを楽しみにしていたので、少しでも情報を早く知りたいと出版社さんのブログをチェックしていたんですけど……他の読者の方からも続編楽しみにしています、という書き込みが結構あったので、これだけ読者が願っていたら出してもらえるんじゃないかな〜、と期待してたんですよね。 ところが売上の問題で出ないようなことが書かれていて……。
そして、最近編集者さんから結局は続刊を見合わせる方向になりました、という書き込みが  私の思い込みかもしれないですが、『青の〜』 はかなり人気のあるシリーズだというイメージがあったので、今ひとつ納得できなくて

同社から今月はヒストリカルの別のシリーズものが新刊が出ていて、好きな作者さんなので購入したいとは思うんですけど、また同じように続刊が出なかったら……と思うとどうも手がでません。 
ああ、それにしても、『青の瞳を持つ天使』 ……なんで扶桑社さんから出なかったんだろう  

<サイ=チェンジリングシリーズ> の新刊が出て嬉しかっただけに、扱いの落差の衝撃が大きかったです。 ついグチを書かずにはいられませんでした……許してくださいね

では、気を取り直して本作の感想です。


〜感想〜

『冷たい瞳が燃えるとき<サイ=チェンジリングシリーズ2>』 に続く3作目です♪

前置きでもふれましたが、本作のヒーローは 『黒き狩人と夜空の瞳<サイ=チェンジリングシリーズ1>』 のヒロイン、サッシャよりも一足先にサイ社会から脱走し、<サイネット>から離脱したローレン一家のジャッド・ローレンになります。

感情を排除されたサイであるジャッドの心を取り戻すのはとんでもない困難を伴うことは、火を見るよりも明らかで、いったいどんな女性なら彼の感情を取り戻すことができるのか? かなり興味津々でした。

そして、選ばれた(?)のは……狼のチェンジリング <スノーダンサー> の一員で、1作目でサイの殺人鬼エンリケに誘拐されて酷い拷問を受けたブレンナでした。 サッシャと豹チェンジリングの<ダークリバー> の協力でブレンナは間一髪の状態で助け出されたものの、あまりにも酷い経験をしたことで心に深い傷を負い、完全にもとの自分に戻ることはできなくなっていました。

何よりも、エンリケがしたことの”何か” が原因で、チェンジリングの変身する能力がなくなってしまい……。 さらには、チェンジリングでありながら、 ”サイ” のように超能力らしきものまで使えるようになっていて……

そんなブレンナの変化を<スノーダンサー>の仲間たちも感じとっていて、兄をはじめブレンナに接する時には腫れ物に触れるかのような態度。 でも、自分の変化を誰よりも恐れているのはブレンナ自身です。 そんな彼女の気持ちをわかってくれるのは、感情がないはずのサイのジャッドだけ。 
ジャッドはブレンナを助け出すときにも協力していたのだけど、その時からジャッドは何故かブレンナのことが気になっていたようで……。

ブレンナとジャッドは、お互いの繋がりを心で感じ取るのだけど、ジャッドには自分の特異な能力に関する怖れがあります。 ジャッドの能力は強力な念動力で細胞すらも変化させることができるというもの 手をふれずに心臓を握りつぶすことも可能です。
その力が暴走しないようにジャッドは、自ら<サイレンス>に従うことを選んでいます。 感情を覚えるようになると、プログラムが作動して身体を苦痛が襲うようになっているのだけど、ブレンナとの関わりが深まるごとにその苦痛はどんどん増加していくことになります。

もっともその頃には、苦痛なんてなんのその。
ジャッドはブレンナとの触れ合いのほうを大事に思うようになっています。 というのもチェンジリングであるブレンナには ”触れ合う” ことが欠かせないものだからで、ジャッドは彼女のために戸惑いながらもブレンナに触れたり、抱きしめたりすることに少しずつ慣れていきます。

とにかく、チェンジリングは情熱的(笑)なので最初はなるべくブレンナに近づかないように気をつけていたジャッドも、心に傷を負っているブレンナを慰めたり、再び殺人鬼が彼女を狙っていることがわかったりして、彼女を守りたい、という気持ちが強くなっていきます。
そうして、いつのまにかすっかり彼女から離れられなくなっていて……。

ジェッドは、ブレンナと共にいるために自分の中に組み込まれた<サイレンス>を作り変えることを決心します。 難しい作業でかなり苦しむことになりましたが、無事に成功した時はホッとしました そうして、枷をとりはずしたジャッドの情熱的なことといったら(笑) 苦しみと困難を乗り越えてお互いを手に入れたブレンナとジャッドの幸せそうな姿が嬉しかったです

今回は、狼チェンジリング <スノーダンサー>の面々の暮らしや群れの状態なんかが描かれていて面白かったです。 アルファのホークの ”伴侶” の謎もちらっと明かされていて、謎めいたホークの隠された一面が見られたのもよかったです。

サイの評議会も水面下で陰謀を張り巡らせて、チャンジリングに攻撃をしかけてきたり、殺人鬼が復活したり、サイの抵抗組織の存在も見え隠れしたり、とどんどん話が面白くなってきています。 ヒロインとヒーローのロマンスがメインではありますが、サイvsチェンジリングの攻防の行方を追っていくのもこれからますます楽しくなりそうです。

あとがき情報ですが、次巻から影の薄かった(笑) ”ヒューマン” も関わってきて活躍するようになるらしいので、こちらの展開にもちょっと期待ですね♪
ちなみに次のヒーローは <ダークリバー> の近衛(センチネル)のクレイとのこと。 こちらはRITA賞にもノミネートされたそうなのでロマンスもステキな展開なんじゃないかな、と思います ……多少時間がかかっても続刊を出していただけるよう、出版社さまよろしくお願いします(笑)



| パラノーマル | 21:36 | comments(0) | trackbacks(0)|- pookmark
トワイライト外伝<哀しき新生者>/ステファニー・メイヤー
ステファニー・メイヤー
ヴィレッジブックス
¥ 567
(2010-10-30)
Amazonランキング: 83位

JUGEMテーマ:読書

★★★★(4/5)

あらすじ

人間だったときの記憶はおぼろげだ。
覚えているのは“あの女”に吸血鬼にされたときの燃えるような痛みだけ―。
ヴァンパイアに転生して待っていたのは、血に飢え、仲間も信じられず、ただ獲物をむさぼるだけの日々。
でもディエゴと出会ってあたしは初めて知った。
吸血鬼同士のキス、太陽にあたっても死なないこと。
だが幸せな時間もつかのま、なわばりを狙っているという“黄眼”のやつらとの戦いが迫る。
戦いの報酬は、甘い香りの人間の少女…。(紹介文より)

前置き

今週末には第三期にあたる 『トワイライト7〜9』 のストーリーを描いた映画 【エクリプス】 が公開されますね♪ なんとも、タイムリーな本作の出版ですが、それもそのはず。
本作はまさにこの 【エクリプス】 の中に登場する ”新生者” の少女ブリーの話でした  いったい、どんなストーリーが描かれているのか? ドキドキします



〜感想〜

今回 『トワイライトシリーズ』 の外伝が出る と、知ったときはひょっとしたら、その後のベラとエドワードの話かも? と、期待してたので、正直、ちょっとがっかりしたんですが、でも、読んでみると……なんとも切なくて泣きたくなりました 
シリーズ本編では、数ページの登場でしたが、実際の彼女の本当の姿がわかってみるとすべてが違って見えてきます。

本作の主人公は、シリーズの第一期で、ベラを付け狙いエドワードたちに返り討ちにされたヴァンパイアのジェームスの恋人ヴィクトリアが復讐を企んだことで、生み出された ”新生者” のブリーです。

とはいっても、ブリー自身は直接ヴィクトリアと会ったことはなく、ライリーという先輩の”新生者”の指示に従っています。 ブリーはちょっと変わった”新生者” で他の者たちよりは理性を利かせることができることから、ライリーやヴィクトリアのしていることがどこかおかしいことに気づき始めます。

同じように、”新生者” にしては穏やかなディエゴと親しくなり、ヴィクトリアとライリーが何を企んでいるのかをこっそりと調べはじめると、やはり自分たちが騙されていることがわかります。 さらには、ヴィクトリアすらも畏れる、他のヴァンパイアたちがいることもわかり……。

ライリーとは友人のディエゴは彼に相談することにするのだけど、その後ディエゴは姿を消してしまいます。 「ひょっとしたら……」 と嫌な予感に襲われるブリーだったのだけど、信じたくないという気持ちが働いてライリーの胡散臭い説明を受け入れてしまうブリー。

そうして、ヴィクトリアとライリーは、”新生者” たちに、ある特定のヴァンパイアたちと戦わなければならないと言い出して……。

すべては、嘘だと勘付きながらも姿を消したディエゴの安否を確かめるまでは、とヴィクトリアとライリーを疑いながらも戦いに参加するブリーだったのだけど、戦いの中でディエゴがライリーとヴィクトリアに殺されたことに気づきます。
そうして、何もかもどうでもよくなったブリーは自分を捕らえたヴァンパイアに 「お願い!」 − 殺すなら早くして。  と呟くのだけど、何故か相手は自分を殺すことをやめます。

そうして、ブロンドの男のヴァンパイアはブリーを見張ることに。
そんな相手の態度を不思議に思いながらブリーは「戦いたくない」 と告げます。 すると 「同感だよ」 という返事が返ってきて……。

ブロンドのヴァンパイア……誰かわかりますよね?
カーライルは、ブリーに投降するかどうかを尋ねてブリーは彼に従うことを選ぶのだけど、戦いが終わった時に別のヴァンパイアたちが現れます。

そう、ヴォルトゥーリたちです。
そうして彼らはブリーを粛清の対象として結局その場で滅ぼしてしまいます

シリーズの本編では、本当に数ページの出来事だったけれど、実は、短い間にブリーが話した言葉の裏にはたくさんの情報が隠されていました。 自分がヴィクトリアとライリーに騙されたことを知り、カーライルたちと会って言葉を交わしたことで、彼らに味方しようと決めたブリーは実はヴォルトゥーリたちがヴィクトリアに会い、カーライルたちを滅ぼすように進めていたことを明かします。

もちろん、言葉にはださずにこっそりと心の中で。
”マインドリーダー” であるエドワードが自分の心を読んでくれることを願って。  
自分を問いつめるヴォルトゥーリのジェーンには頭の空っぽなふりをしながら、ブリーはひたすらエドワードたちのためになるよう振る舞いつづけます。 そうして最後には自分の運命を静かに受け入れ……

もう少し、違う運命を与えることはできなかったのか?
作者のステファニー・メイヤーさんも後悔しているとのことでしたが、本作を読むと本当にそう思わずにはいられませんでした。
あまりにも潔く自分の運命を受け入れたブリーの姿が、憐れでありながらも美しかったです

映画 【エクリプス】 を鑑賞する予定ですが、ブリーの場面を観る時は本作に描かれていた彼女の気持ちを思い出して、哀しくなりそうな気がします。




| パラノーマル | 22:15 | comments(6) | trackbacks(0)|- pookmark
幻の花嫁<ローアシリーズ4>/クレスリー・コール
クレスリー・コール
ソフトバンククリエイティブ
¥ 930
(2010-10-18)
Amazonランキング: 682位

JUGEMテーマ:読書

★★★★(4/5)

前置き

待ちかねていた 『満月の夜に』  『時の扉を開いて』  『鏡の中の魔女』 に続く<ローアシリーズ>4作目がとうとう出ました♪ 最近、作者のクレスリー・コールさんは、本シリーズの6作目でRITA賞を見事に受賞されたとか。

内容は、 『鏡の中の魔女』 から登場している ”激情のデーモン” ライドストロムがヒーローの話らしいんですが……。今のところライドストロムはクールな姿しか見せてないですが、そんな彼だからこそ、 ”激情” のままに振舞う姿を見たいと思ったりします
デーモンの運命の相手は ”恋人” ですが、きっと彼女にあったときに、そんな姿を見ることができるんでしょうね。 そう思うと6作目が翻訳されるのが待ち遠しいですね


あらすじ

バレリーナとして成功を収めたネオミは、屋敷のお披露目パーティで、元婚約者に殺害される。
以来八十年、彼女は幽霊として同じ屋敷に暮らしていた。
ネオミの声は誰にも届かず、その姿は誰からも見えない。
長年、ひたすらに無視され続けて、自分が本当に存在しているのかどうか頭を悩ませ始めていたところへひとり男が現れる。
「美しい女性」男はそう言った。
赤い目をしたこの男には、わたしが見えるの?

〜感想〜

本作のヒーローは、1作目 『満月の夜に』 に登場したヴァンパイアのニコライと、2作目 『鏡の中の魔女』 のヒーロー、ヴァンパイアのセバスチャンのロス兄弟の4男、噂のコンラッドになります。

このコンラッド、初っ端からかなり困ったことになってます 
瀕死の重傷を負い、死にかけている状態で有無を言わさず兄のニコライとマードックによってヴァンパイアにされたコンラッドとセバスチャンは、兄二人を憎みそれぞれ孤独に彷徨い続ける事になりました。

セバスチャンは2作目の 『時の扉を開いて』 で、”花嫁” に出会えたことで救われましたが、コンラッドはヴァンパイアとして導いてくれる者もなく、血への渇望の赴くまま生きている人間から血を飲み、時には死ぬまで飲み干すことも

でも、それは実はヴァンパイアとしてはやってはいけないことで、そうしたヴァンパイアは ”堕ちたもの” と呼ばれて同じヴァンパイアからも粛清されるべきものとして認識されてしまいます。 ”堕ちたもの” となったコンラッドはちょっとしたことで激昂したり、攻撃したり、といつ爆発するかわからない、まさに危険物そのもの。
そんな状態のコンラッドを救おうと、兄のニコライ、マードック、セバスチャンは、3人がかりで彼を捕えて血への渇望を抑え、凶暴さをなくすために監禁することに。

そうして、捕えられたコンラッドはある屋敷に閉じ込められることになるのだけど、その屋敷には過去に殺されたバレリーナの幽霊ネオミが棲みついていて……。

何故か、コンラッドにはネオミの姿を見ることできたことから、ネオミもコンラッドに興味を引かれます。そうしてお互いに強く惹かれあっていくことになるのだけど、とにかくコンラッドの凶暴さを何とかしなければなりません。 ニコライたちが与える薬の効き目もあって少しずつ理性を取り戻したコンラッドはネオミとも言葉をかわせるようになっていきます。
ただ、困ったことに兄たちにはネオミの姿は見えないようで……。

彼女と話しているコンラッドの姿を、幻覚を見ているのだと思い込んでしまいます。 そうなると、いくらコンラッドが回復してきても、なかなか信じてもらうことができません。 そこでコンラッドはネオミの存在を打ち明けないままにします。
そうして、コンラッドとネオミは心を通わせていくのだけど、生身のヴァンパイアと幽霊というどうしても乗り越えることのできない現実が二人の前に立ちふさがります。
コンラッドはネオミこそが自分の ”花嫁” だったら、と望むのだけど……。

絶対、ネオミがコンラッドの ”花嫁” だと、読んでいてわかるだけに、じれったい思いをさせられました どうやって、ネオミが肉体を取り戻すのか想像もつかなかったんですが、前作 『鏡の中の魔女』 のヒロイン、魔女マリキータが手を貸してくれることになります。
彼女の手助けで思いがけず、肉体を取り戻すことのできたネオミだったのだけど、実は落とし穴がありました。

それは、生きていられる時間がそれほど長くはないということ それでもいい、とネオミは納得していたのだけど、生身の身体に戻ったおかげでコンラッドの ”花嫁” として幸せな時間を過ごすうちに段々悲しい気持ちに襲われるようになっていきます。
……無理ないです

ネオミのおかげで、”堕ちたもの” につきものの血と殺すことへの欲求から解放されたコンラッドも、幸せを味わっていたのだけど、気になるのは何かを隠しているような態度。 不振に思ったコンラッドは理由を突き止めようとするのだけど、ネオミが本当のことを言えるはずもありません。 そうした時に、コンラッドの命を狙っているデーモンが襲撃してきて……。

果たしてネオミとコンラッドの運命は?
最後の最後までやきもきさせられました
結局は、マリキータのおかげでハッピーエンドを迎えることができたんですが、そうなることがわかっていても結構ハラハラさせられるものですね(笑)  
二人の幸せそうな姿を見れたのは嬉しかったです

次は、シリーズ5作目になりますが、ヒーローは前作に登場した ”激情のデーモン” ライドストロムの弟カデオンになります。 彼のせいでライドストロムは王位を失ったという話ですが、いったいどんな経緯でそうなったのか? はあまり詳しくは語られていません。 次回で、そういったこともわかるのかな、と思います。

デーモンの運命の相手は ”恋人” と呼ばれますが、実はすでにカデオンにはその相手が誰なのかはわかっています。 でも、その相手は ”死すべき者” の人間の女性。 あまりにもかよわい生き物なので、デーモンの”恋人” にはしていはいけないという掟があって……。
そんな困難をカデオンがどうやって乗り越えて”恋人”を手にいれることができるのか……凄く楽しみです♪



| パラノーマル | 22:38 | comments(0) | trackbacks(0)|- pookmark
シヴァ SHIVER 狼の恋人(上下)/マギー・スティーフベーター
マギー・スティーフベーター
ソフトバンククリエイティブ
¥ 1,470
(2010-07-17)
Amazonランキング: 31414位

マギー・スティーフベーター
ソフトバンククリエイティブ
¥ 1,470
(2010-07-17)
Amazonランキング: 31448位

JUGEMテーマ:読書
 
★★★☆(3.5/5)

あらすじ

冬になると姿をみせる、黄色い瞳の狼。
あたしは彼にずっと恋している。
この夏、地元の高校生が狼に襲われた。
しかも、死体は消えたらしい。
小さな町はその噂でもちきり。
そのさなか、血まみれの男が裏庭にあらわれた―幼い頃、狼に襲われたグレース。
助けてくれた“黄色い瞳”の狼が忘れられない。
だが、彼はふつうの狼ではなかった―。(紹介文より)

前置き

本シリーズは ”狼三部作” の第一部に当たる作品だそうです。 残りの二部、三部が訳されるかどうかは……いつものごとく売れ行き次第なんでしょうね〜。
……是非とも最後まで訳して出版してほしいものです

〜感想〜

幼い頃に狼の群れに襲われて重傷を負ったグレース。 幸いにも一命は取り留めたものの、どうやって助かったのかは記憶があやふやなまま。 覚えているのは、ほかの狼に襲われているグレースをじっと見つめていた黄色い目の大k身の姿だけ。
本当なら、恐ろしい記憶として残りそうなのだけど、なぜか、その狼のことはグレースにとって大切な存在として心の中に残ります。

そうして、今ではグレースも17歳。
狼好きのちょっと変わった女の子と友人には思われているものの、平穏な毎日を過ごしていました。 

そんなある日、同じ高校のクラスメートの兄が狼に襲われて行方不明になるという事件が起こります。 地元の有志たちが狼を退治しようと狩りをするのだけど、グレースにしてみれば ”わたしの狼” が殺されるのでは? と気が気じゃありません。

そこでグレースは狼狩りをやめさせるために、森へと向かうのだけどその時、銃声が響きわたり……。衝撃をうけるグレースだったのだけど、不安に駆られながら家に戻ったグレースは怪我をして血を流している青年を発見します。

その青年の瞳は……グレースの狼とおなじ黄色い瞳で(びっくり) ありえないことだと思いながらも、グレースは目の前の青年こそが ”私の狼” だと確信します。 そうして、彼を病院へと運ぶのだけど、怪我は短い時間の間に治りはじめて……。不思議なことばかりなのだけど、何故かすんなりとすべてを受け入れていくグレース。

実は、幼い頃に狼に襲われたグレースを助けたのは黄色い目をした狼で、グレースが助かったあともずっと彼女を見守っていてくれました。触れ合うことも話すこともできなかったけれど、いつしか深い絆を結んでいたようで……。

黄色い目をした狼はいわゆる狼人間になるのだけど、狼の時と人間の姿をしているときでは意識に違いがあります。 とはいえ、どちらの姿の時もグレースに恋い焦がれていることに変わりはなく、サムと名乗った青年はグレースの側にいることを選びます。 というのも、狼から人間の姿に変われるのは今回が最後、という確信があったからで……。

世間一般に広まっている狼人間とはちょっと違っていて、本シリーズの狼人間はある一定以上の寒さになると狼に変身します。 逆に暖かくなると人間に変身。
なので、春から秋にかけては人間の生活をし、冬は狼として暮らすというライフスタイルを送るのだけど、狼人間として生きる年月が長くなればなるほど、変身する回数が減り、最後には人間に変身することもなくなり狼として生きていくことになります。 このへんの設定が変わっていて面白いと思いました

サムはまだ若い狼人間なのに、何故か人間として暮らす時間が短くなり、今度狼に戻ったら人間に変身することはありません。 人間としてグレースとともに過ごせるのは、今回が最初で最後。 そのことをグレースには知らせずに、少しでも長い時間を二人で過ごそうとするのだけど……。

自分の意志では変身できないだけに、いくら離れたくないと思っていても、どうすることもできないもどかしさと切なさがヒシヒシと伝わってきました。 サムもグレースも本当にお互いを大切に思ってるんだな、ということも伝わってきて……途中からは、とにかく何とか二人がハッピーエンドを迎えてくれることを祈りながら読んでました。

そして、グレースとサムが最後にどうなったかというと……。
とりあえず、ホッとしたとだけ書いておきます

このあと、のこりの2、3 が出版されるかどうかはわかりませんが、できれば続きも読みたいものです



| パラノーマル | 21:06 | comments(0) | trackbacks(0)|- pookmark
漆黒の旅人−ザレク<ダークハンターシリーズ3>/シェリリン・ケニヨン
シェリリン・ケニヨン
竹書房
¥ 1,000
(2010-01-09)
Amazonランキング: 211849位

JUGEMテーマ:読書

★★★★★(5/5)

あらすじ

ヴァンパイアを狩るダークハンターのザレクは、アラスカへ戻るヘリコプターの機中、死を覚悟していた。
女神に逆らった自分が始末されないはずがない、と。
ぶじに着陸したのものの、やはりやってきた刺客からの銃弾を受け、雪の中で力尽きたところを匿ってくれたのは、盲目の美女アストリッドだった。
実はアストリッドの正体は、ザレクを裁くため女神から遣わされた裁判官の妖精。
だが、アストリッドは公平であろうとしながらも、荒々しいザレクの中の意外な繊細さ、凄絶な過去を経てもなお示される優しさに魅了されていく。
ザレクもまた、彼女の美しさと勇気に生まれて初めて憧れという感情を抱く。
漆黒の闇に生きる自分に絶望するザレクと、任務と愛の板ばさみになるアストリッド。
吹雪の山小屋に閉じこめられた二人は…?そしてザレクの審判の結果は…?(紹介文より)


〜感想〜

『夜を抱く戦士−タロン』 のヒロイン、サンシャインを神に逆らってまで助けたザレクでしたが、そんな彼の行動が神の怒りをかい、女神アルテミスはダークハンターを処刑する役目を担っている ”タナトス” をザレクに向かって放ちます

ザレク自身も死を覚悟していたのだけど、おとなしく処刑されることがばからしくなり途中で気が変わります。 できるだけ抵抗してやろう、と。

でも、そんなザレクを救おうとする人物がいました。
それはダークハンターを統べる役目を担っているアケロン・パルテノパイオス。 彼は ”最初のダークハンター”  でもあり、女神アルテミスと ”ほとんど” 対等に渡り合える存在でもあります。 ”ほとんど” とつけたのは、未だ明かされていない事情から、完全にアルテミスから自由でいられないわけがあるからなのだけど、今回はアケロンもあとにはひきません。

アケロンにとって他のダークハンターたちは、仲間で家族で兄弟のような存在。 彼らを守るのが自分の役割だと思っているアケロンは、ザレクを殺そうとするアルテミスを止めようとします。 ところがアルテミスはまったく聞く耳を持たず……

そんなアルテミスの態度に痺れをきらし、とうとうアケロンが切れかかる(笑)と、アルテミスはたちまち慌てて、彼の望みを受け入れることにします。
やっぱり、二人の関係が謎なんですが、どうもアケロンには女神であるアルテミスを怯えさせるほどの”力” があるようなのだけど……。
でも、それなら何故アルテミスには逆らえないのか?
普通なら少しずつでも謎が明らかにされていくと思うんですが、アケロンとアルテミスに関しては謎が増えるばかりです(笑 

アケロンの望みとは せめて裁きの神に公正な判断をしてもらいたい、というもの。
渋々ながらもアケロンの望みを受け入れたアルテミスだったのだけど、ザレクを裁く役目は 今まで一度も ”無罪” の判決を下したことのないアストリッドという裁判官にするように言い出して……。
何がなんでもザレクを有罪にして彼の存在を消そうという意図が見え見えで、もともと好きじゃなかったんですが、今回でますますアルテミスのことが嫌いになりました。
ほんっとうに! 嫌な女神なんです

でも、何故かアケロンもまたアストリッドにザレクを裁いてほしいと望んでいて……。 どうやらアケロンはアストリッドの中に ”何か” を感じていて、彼女ならザレクの本当の姿を見抜くことができるとわかっているようです。

一方、ザレクを裁く役目を担わされたアストリッドは、長く裁判官をし続けたことで感情というものがほとんどなくなってしまっていました。 そんな自分を密かに恐れていたアストリッドはザレクを裁くことも躊躇するのだけど、アケロンが自分にさせたいと思っていることがわかり引き受けることに。
そうして、アストリッドはザレクの罪を見極めるために彼と共に過ごすことにします。

アラスカの自分の家に着いたザレクは早速、追っ手に襲われて深手を負って気を失うのだけど、そんな彼をアストリッドが見つけ出して自分のいる小屋へと運びます。
地上に降りたアストリッドは盲目になってしまうのだけど、 ”カタガリ” と呼ばれる人狼のサーシャが付き添っていて、彼女をフォローすることになっています。

ザレクのことを公正な目で見て判断しようと思いながらも、意識を取り戻したザレクはあまりにも存在感があって凶暴な雰囲気を周囲に撒き散らしていることを感じとったサーシャは、あまり冷静ではいられません。 
それでも注意深く観察すると、サーシャを傷つけないように振舞っていることがわかってきて……。

果たしてザレクは有罪なのか? それとも無罪なのか?

簡単に判断するにはザレクはあまりにも複雑な人物で……アストリッドはザレクが何を考え、何を感じているのか? 知りたいと思うようになります。 そうして思いがけず男性としてのザレクにも惹かれ始めて……。ほとんどなくしていたはずの感情を取り戻すことになります。

そして、ザレクもまた美しいだけでなく、自分を普通の人間として扱い話しかけてくるサーシャの優しさに心を揺さぶられます。
ダークハンターになる前、まだ人間として生きていた時のザレクは父親が貴族でありながら、母親の身分が奴隷だったことで同じように奴隷として酷い扱いを受けていました。 それは並大抵の暴力ではなく、ザレクが受けた仕打ちは想像を絶するものでした。

ザレクがどれほど酷い目にあったのかが、アストリッドにも段々とわかってくるのだけど、わかればわかるほど一つの思いを抱くようになります。

「何故、これほどの目にあわされて生きていられたのか? 何故自殺しようとなかったのか?」

そう思ってしまうほど、ザレクの人生は悲惨なものだったのだけど、アストリッドはそんな目にあいながらも生き続けたザレクを憐れみながらも、彼の強さと意思の不屈さを尊敬せずにはいられませんでした。
そうしてアストリッドは自分がザレクを愛していることを確信します。

その時からアストリッドはザレクの無実を信じ、彼を助けようと決意します。 同時に自分を信頼してもらい、彼女がザレクを愛しているということを受け入れてもらうために戦うことにもなるのだけど……他人から傷つけられ拒絶され続けたザレクは、アストリッドのことすらもなかなか信じることができません。

自分がアストリッドを愛し始めていることに薄々気づきながらも、「自分にこんな幸せが訪れるはずがない」 「自分のようなケダモノがアストリッドに触れていいはずがない」 

と、読んでいるこちらのほうが泣きたくなるようなことを言うザレクの姿に胸が痛くなりました   もう、これは何がなんでもアストリッドに頑張ってもらいたい と、かなり力んで読んでました(笑) 

そんなふううにザレクとアストリッドのロマンスには、やきもきさせられっぱなしだったんですが、アケロンとアルテミス、ダークハンターにまつわる謎の一端が明かされたり、他にも気になることがちらほら出てきて、そちらのほうでもやきもき(笑)

ザレクとアストリッドがお互いに一緒にいられるようになるには、いくつもの困難がありましたが二人が最後に迎えた結末に…… (うれし泣きです 笑

とにかくこの ”ダークハンターシリーズ” は巻を重ねるごとにどんどん面白くなっていきます  本の厚さも凄いですが(笑)、飽きずに一気に読めるのがまた凄いと思います 
とりあえず、出版されているのは本作までなんですが……今月に作者のシェリリン・ケニヨンさんの別の新作 『永遠の恋人に誓って』 という作品が出たので、”ダークハンターシリーズ” の次が出るのはまだ先になるのかもしれません。 
遅くても冬くらいには出てくれるといいな〜、と期待してます






 
| パラノーマル | 20:58 | comments(0) | trackbacks(0)|- pookmark
夜を抱く戦士−タロン<ダークハンターシリーズ2>/シェリリン・ケニヨン
シェリリン・ケニヨン
竹書房
¥ 1,050
(2009-07-10)
Amazonランキング: 228642位

JUGEMテーマ:読書

★★★★(4/5)

あらすじ

ニューオーリンズで暮らす画家サンシャインは、ある夜、黒ずくめの男たちに襲われる。
そこへ現れたのは、妖しいまでに美しくたくましい男性、タロン。
彼はアマンダを救ったが、怪我を負ってしまう。
タロンを家へ連れ帰ったサンシャインは、その美しさと全身にほどこされたケルトの刺青に魅了される。
一方タロンもまた、ヴァンパイアを狩るダークハンターであり、誰も愛してはならないにも関わらず、陽光そのもののようにまぶしいサンシャインに強く惹かれる。
一夜限りと知りつつ激しく求め合うふたり―だが、彼らには前世からつながる過酷な運命が用意されていた。
カーニバル“マルディ・グラ”が近づく街でさまざまな愛と憎しみが交錯する。(紹介文より)


〜感想〜

『暗闇の王子−キリアン』 で、キリアンの親友として彼を助けていたタロンが今回はヒーローです ヒロインはセレナとも顔見知りで、 『囚われの恋人−ジュリアン』 で彼の素敵なヒップに見惚れていた(笑)画家のサンシャイン。

ある夜”ダイモン”たちに襲われそうになったサンシャインは、危ういところで一人の男性に助けられるのだけど、その男性は突然動き出した山車に轢かれてしまいます
自分を助けてくれた男性をそのままほうっておくことはできず、サンシャインは知人の助けをかりて彼を自分の家へ連れて行く事に。

見知らぬ部屋で目を覚ましたタロンは戸惑うのだけど、サンシャインの姿を見て自分が助けた女性だと気づきます。 実はタロンはひと目見たときからサンシャインに激しく惹かれていたので、ひょっとして彼女と……? なんて、一瞬考えてしまうのだけど(笑)サンシャインと話すうちに随分とユニークな性格をしていることがわかり始めて……。

深く関わりあいになる前に出て行こうとするのだけど、サンシャインが親切心から彼の服を洗濯したものの服を縮めてしまって着られない状態に。 親切心からしてくれたことがわかるだけに、タロンは怒るわけにもいかず、とりあえずスクワイヤーのニックに連絡をとろうとします。
(ちなみに ”スクワイヤー” とは昼間は動けないダークハンターたちのために、食料を補充したり、家の管理をしたり、と昔の騎士の従者のような役割をする人間のことをいいます)

ところが、ニックは電話にでず困ったタロンはやむを得ずキリアンに服を持ってきてくれるように頼みます。……キリアンに面白がられることを知りながら

サンシャインは善良で優しい女性ではあるのだけど、芸術家らしくちょっとユニークなところがあります。 今まで付き合ったボーイフレンドたちはそんなサンシャインにつきあいきれず、彼女から離れていったのだけど、タロンは逆にサンシャインのユニークなところを受け止めて面白がる余裕がありました。 ハンサムで強いだけでなく性格もよさそうなタロンにますますひきつけられているサンシャイン。さらに、自分でもよくわからないながらもタロンには何故か懐かしさを感じて……。

タロンもサンシャインには今まで他の女性には感じたことのない気持ちを呼び起こされます。 そうして二人の気持ちはあっという間に燃え上がり…… 
あらあらあら……と、ちょっと展開早すぎじゃないのかな、と思ったものの実はタロンとサンシャインがこんなふうに出会ってすぐにお互いに激しく惹かれあったのには理由がありました。

タロンはケルト戦士で族長だったのだけど、同じ氏族の裏切にあい大切にしていた妹と共に殺されて、ダークハンターになりました。 その前には叔父と叔母を。 そして最愛の妻も出産のときに死産だった息子とともに還らぬ人に。
何故、タロンの愛する人々が次々に死んでしまうのか?

それは、タロンが叔父を殺されたと思い込んで復讐したことが発端でした。 タロンが叔父を殺したと思い込んで復讐した相手はケルトの神カムルスの息子で、息子を殺されたカムルスが怒りタロンに呪いをかけたことが原因だったのだけど、でも実は亡くなった妻はその後生まれ変わっていました……サンシャインとして
もちろん、この時点ではそんなこととはお互い知るよしもなったんですが、その後そういったことが段々とわかってきて、お互いに対する気持ちはますます深まっていくことになります。 サンシャインも前世の自分の記憶を少しずつ取り戻すようになり、タロンがどんなに辛い目にあってきたのかを知って彼を癒したいと思うようになるのだけど、逆にタロンは二度と妻を失いたくない、と思いつめるようになり、彼女から離れようとします。

……キリアンといいタロンといい、マッチョな(笑)男たちの考えることはいつも同じなんだな、とちょっと可笑しかったです そんなふうに思いやってくれるのはとてもありがたくて嬉しいことだけど、離れるにしろ離れないにしろ、やっぱり自分の意思で選びたいものですよね。
案の定、サンシャインは怒るのだけどタロンは頑として意思を曲げません。 そうするうちにサンシャインがタロンに復讐しようと企むカムルスに誘拐されて……

今回は、タロンとサンシャインのロマンスに神の復讐が絡んできて、さらにはダークハンターのリーダーのアケロンの過去まで浮上してきて、謎だった彼の過去が少しだけ明らかにされています。 盛りだくさんの内容になってるんですが、飽きることも話についていくのに苦労することもなく最後までハラハラしながら読めました

アケロンと女神アルテミスの複雑な関係の一端も垣間見ることができたのだけど、どうもこの二人の関係は根が深そうです。 ……単純にこの二人の話が楽しみだ、と言えなくなってきました

今回はダークハンターが何人かタロンに協力しているのだけど、そのうちの一人にダークハンターたちからすら恐れられて疎まれているザレクというダークハンターがいます。彼は確かに怖ろしくてちょっとしたことで人を殺しそうな雰囲気があって、間違っても友達にはなりたくない、と思うような雰囲気をいつも身に纏っているのだけど、陰ながらサンシャインをダイモンたちから守ったり、彼女の作った美しいボウルに見惚れたり、となかなか興味深い一面を見せてくれます。
気の毒なことにザレクのそんな一面をダークハンターたちは見ることがなく、逆に彼の凶悪さだけを目にすることになってしまいます。
そうしてザレクはせっかくサンシャインを守ったのに感謝されることなく、逆にタロンから罵倒される始末で  とても気の毒でした。

ただ、サンシャインは流石というかザレクの隠された一面を感じ取り、彼を怖がりながらも他の人に接するのと同じように彼にも接します。
そんなサンシャインの優しさに触れたザレクは、最後には神に逆らってまでサンシャインを助けるという行動に出るのだけど……。 それは彼自身の死刑執行のサインにもなりかねない行動でした 結局ザレクは自分が消されることを確信して、もとの自分の住んでいる土地へと一人戻っていくことになります。

……タロンとサンシャインが結ばれてめでたしめでたし、だったのは嬉しかったけれど、このザレクのことが気になって気になって  
どうやら次のヒーローはザレクのようなので、早く次を読みたいですが、タロンとサンシャインの深く愛し合う様子を見ながらも、”愛” というものがどうしても理解できなかったザレク。 
そんな彼の愛を獲得するのはどんな女性なのか? ちょっと想像がつきません

次の 『漆黒の旅人−ザレク』 で早く確かめたいと思います



 
| パラノーマル | 19:23 | comments(0) | trackbacks(0)|- pookmark
暗闇の王子−キリアン<ダークハンターシリーズ1>/シェリリン・ケニヨン
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JUGEMテーマ:読書

★★★★(4/5)

あらすじ

26歳の会計士、アマンダの夢はごく普通の生活を送ること。
というのも家族は変わり者ぞろいで8人いる姉妹もみんな、占い師だのヴードゥー司祭だのをやっているせい。 ようやくできた“普通”の恋人に家族を紹介したとたん振られたアマンダは、その決意を新たにしていた。 ところがそんなある日、双子の姉で、自称ヴァンパイアハンターのタビサの家を訪ねたところを誘拐されてしまう。
目をさましたとき、アマンダは夢のように美しい男と手錠でつながれていた。
ダークハンターと名乗る彼は長い牙を持ち、闇の中でしか生きられない、どう見ても普通ではない男なのに、アマンダは惹かれて行くのを止められなかった…。(紹介文より)


前置き

『囚われの恋人−ジュリアン』 のヒーロージュリアンのマケドニア時代の話に、彼の親友として名前が出ていたキリアンが本作のヒーローになります。
ジュリアンが囚われの身になったあと、キリアンがどんな運命に見舞われたのか? ジュリアンは罪の意識を感じていましたが、本作で二人は再会を果たしことになります。

ジュリアンの物語は、”ダークハンターシリーズ” のプロローグ的な作品と書きましたが、このあとのシリーズ作品でもちょくちょくジュリアンは話題にのぼっています。グレイスとの幸せそうな様子とかがわかるのが嬉しかったです

さて、ここで ”ダークハンター” とは ”何” なのかの簡単な説明を

ひと口にいえば……非業の死を遂げた人物(戦士、英雄など)が女神アルテミスに魂を預けて不死の存在として生まれ変わり、人間を殺して魂を奪って生きる ”ダイモン” と呼ばれる吸血鬼を滅ぼす使命をうけた者たち。

なんですが……ひと口じゃなかったですね(笑)

では、 ”ダイモン” とは ”何” なのか?

こちらもひと口ではいえないんですが、もともとは太陽神アポロンによって生み出された 人間よりも色々な点で優れていた ”アポライト” と呼ばれていた種族。
ところが、ある時アポライトの女王がアポロンの愛する女性を嫉妬から殺したことで、アポロンの激しい怒りをかってしまいます。

そして、アポロンは自分の生み出した種族だというのに情け容赦なく怖ろしい罰を与えます 
愛する女性を獣の仕業にみせかけて殺したことから、 ”獣と同じ性質” (牙とか、暗闇でものが見えるなど) を持たせ、自分の前に二度と姿を見せないよう日の光の中では暮らせないようにして、さらには自分の愛する女性が28歳で殺されたように、”アポライト” たちも 28歳で死ぬ、というもの

しかも、その死に方というのが耐え難い痛みとともに少しずつ体が砂のように崩れ去っていくという怖ろしいもの。 すべてのアポライトたちはこの怖ろしい運命から逃れることはできません。
でも、たった一つだけ生き延びる方法があります。
その方法というのが、人間の魂を奪い自分の中へ取り込むというもの。
そうすることでアポライトたちは、奪った魂がある限り寿命を延ばすことができます。 ただ、人の魂はいつまでもあるわけではなく、なくなったらすぐにまた補充しなければなりません。
そうして、人間の魂を奪い続けるアポライトは ”ダイモン” となります。

”ダークハンター” がアルテミスから授けられた使命は ”人間を守ること”
人間を殺し魂を奪うダイモンを滅ぼすのが彼らの仕事といえます。 ただ、”ダークハンター” というのは非業の死を遂げた人物ばかりで、生前から問題のある人物も少なくありません。率直に言えば ”ダイモン” と似たり寄ったり、というところもあって

そんな相手とどうやってロマンスが芽生えていくのか? 
そのへんが読みどころの一つかな、と思ったりします


〜感想〜

平凡な暮らしをしたいと思っている会計士のアマンダは、ある日双子の姉タビサの家で何者かに誘拐されてしまいます。 目覚めた彼女の側には危険な雰囲気を漂わせる魅力的な男性。 どうやら彼の捕らわれの身らしいのだけど、そのわりには態度が大きくて

あまりの自信満々の態度に思わず反発するアマンダだったのだけど、手錠で繋がれてしまって離れることもできず……。 それにどうもどこかが普通の人間と違うように思えて戸惑います。 それに何故かヴァンパイアハンターをしている双子の姉タビサのことも知っているようで……。

感じの悪い態度をとり続ける男性だったのだけど、そのうちに彼もまた超常現象が日常茶飯事の相手なのだとわかってきてアマンダはうんざりしてしまいます。
なんといっても、彼女の家族たちがそういう非日常が当たり前の存在なので、「平凡に暮らしたい」 という願いを持っているアマンダにとって今の事態は歓迎すべからずもの。

そんなアマンダの態度をからかう男性だったのだけど、夜が明け始めてくると様子が変わりはじめ……。 アマンダは彼がヴァンパイアなのだと気づくのだけど、本人は 「大丈夫、血は吸わないから」 と涼しい顔 

実際、彼は ”ダークハンター” でヴァンパイアとは違うんですが、この時のアマンダにはそんなことはわからないのでやきもきするばかり。(気持ちはわかります )
その時ちょうどいいタイミングで窓の外に何も知らない警備員が通りがかります。彼から携帯を借りて男性は知人に助けを頼むのだけど、アマンダと繋がっている手錠は特別仕様で簡単に外すことができません。 ハンターは冗談で 「ギリシアの神が作った手錠をはずせる知り合いはいないか?」
 と訪ねるのだけど、実際アマンダにはそんな知り合いがいました

その知り合いというのが……姉のセレナの友人のグレイス。
そう 『囚われの恋人−ジュリアン』 のヒロインです  そうしてアマンダはハンターとともにグレイスの家を訪ねるのだけど、玄関に現れたのは今ではグレイスの夫となったジュリアン。
そうしてハンターに目をやったジュリアンは絶句します。
一方、ジュリアンを目にしたハンターも同様の状態で  緊張した一瞬のあと

「マケドニアのジュリアン?」 とハンター。
「トラキアのキリアン?」 とジュリアン。

二千年以上の時を経てかつての親友同士が再会を果たすのだけど、お互いに以前の自分とはすっかり変わっていて……  友情に変わりはないものの、そこはかとなく漂う寂しさがなんだか切なかったです。
なにはともあれ、ようやく手錠を外すことができたアマンダとハンターは、その夜はジュリアンとグレイスの家で休むことにするのだけど、アマンダは好奇心を抑えることができません。 そしてジュリアンから ”ダークハンター” という存在のことを詳しく教えてもらいます。

「ひどく不当な扱いをうけたとき− その人物の魂がオリュンポスの回廊に響き渡る悲痛の叫びを
あげる。アルテミスがその叫びを耳にすると、その声の主のところへ降りていって、取り引きをもちかける。彼らを痛めつけた連中に復讐してやるから、わたしに忠誠を誓ってダイモンを退治する一団に加わってくれ、とスカウトするんだ」 (本文より)

そうやってダークハンターは誕生するわけですが、その時に魂もまたアルテミスに預けることになります。 なぜなら、魂があるままだとダイモンに奪われるという事態もありうるわけで、ダークハンターの魂を手に入れたダイモンがどれほどの力を手に入れることになるか……考えると怖ろしいです 

そんな事態を防ぐための処置なのだけど、その話を聞きながらもアマンダはキリアンに対する興味を抑えきることができません。 最初から彼に惹かれるものを感じていたアマンダは 「こんな人は私のタイプじゃない」 とか思いながらも、どんどん惹かれていってしまいます。

キリアンもまた、実は最初からアマンダに惹かれるものを感じていました。 でも、自分が魂を持たないダークハンターだということもあり、彼女を忘れようとするのだけど状況がそれを許さなくなっていきます。 キリアンが追っていたダイモンがアマンダも狙いはじめて、彼はアマンダを守らずにはいられなくなります。
そうして、二人はお互いに対する気持ちを抑えきれず……。

ダークハンターの例にもれず、キリアンも過去も痛ましいものでした。 彼は最愛の妻の裏切りによって敵方の指揮官に売られ、さらには激しい拷問に責めさいなまれて殺されていました。 アマンダには隠された能力があって、キリアンと過ごすうちに封印していた能力が再び現れて、そんなキリアンの過去を実際に夢で追体験することになります。
そうして、キリアンが受けた苦しみを我がことのように感じたアマンダは、何とかして彼の苦しみを和らげて心に負った傷を癒したいと思うようになります。

そんなアマンダの真心がキリアンに伝わらないはずもなく、彼もまた自分が深くアマンダを愛していることに気づくのだけど、ここでネックになるのは敵の存在はもちろんのことなんですが、一番気になるのは自分が ”ダークハンター” だということ。
一度ダークハンターになったものはずっとダークハンターであり続けるのが基本で、戦いで死んだり、日光にさらされて死んだり、最悪、ダークハンターの掟に背いて罪をおかして処刑される、といった場合以外にダークハンターではなくなる道はありません。

しかも、そうやって死んだダークハンターは魂がないために、誰にも見えない影として永遠にさ迷うことになります。 ……待ち受けているのは過酷な運命だけ キリアンは身を切られるような思いでアマンダに別れを告げることになります

ところが、実はキリアンが追っていた敵の本当の目的はアマンダを手に入れることでした。 すべてはアマンダが封印していた特殊な能力を開花させ手に入れようとする敵の企みだったのです。 
そうとは知らないキリアンはアマンダを逆に敵の手に渡すような形になってしまうのだけど、その少し前にアマンダはダークハンターをまとめるリーダー的な存在の アケロン・パルテノパイオスと興味深い会話をしていました。

その会話とはキリアンに魂を戻す方法に関することだったのだけど、その方法は決して楽でも簡単なものではありませんでした。 
もし、万が一失敗したら?
キリアンは永遠に影としてさ迷い続けることになります。 
あまりの責任の重さに怖気ずくアマンダだったのだけど……。

はたして敵の手におちたアマンダはキリアンに魂を返すことができるのか?
最後のほうでアマンダが見せたキリアンへの愛情の深さに感動しました

本作は”ダークハンターシリーズ” の1作目ということで、謎があちこちに散りばめられていますが、これらの謎がこれから先どう解かれていくのか、楽しみです。
中でも興味深いのはダークハンターを統一しているアケロン・パルテノパイオスという存在。 彼は女神アルテミスのお気に入りとか、道を踏み外したダークハンターを処刑する役目を担っているとか、色々な噂をされているのだけど、実際の彼の姿はまだまだ謎のまま。

でも、今回キリアンの魂を自分の身を犠牲にしてアルテミスから返してもらったり、影で他のダークハンターたちのために色々と骨身を削った行動をとっています。
そんな彼にどんな事情があるのか? 興味は増すばかりです
いずれにしても、本シリーズは楽しみが満載の作品なことは確かかな、と思います

次は 『夜を抱く戦士−タロン<ダークハンターシリーズ3>』 です。







 

| パラノーマル | 22:18 | comments(0) | trackbacks(0)|- pookmark
囚われの恋人−ジュリアン/シェリリン・ケニヨン
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JUGEMテーマ:読書

★★★★(4/5)

あらすじ

 「想像がつかないほどの悦びをきみに教えてあげよう」 ―満月の夜、友人にそそのかされて呪文を唱えたグレイスの前に現れたのは、本の中から出てきた超ゴージャスな男性、ジュリアン。
驚くグレイスに、ジュリアンは次の満月までのあいだ、望みのままに尽くすと語る。
だが、彼が呪いのせいで本に閉じ込められたままだと知ったグレイスは、魅力を感じながらもひと月彼を解放し、つかの間の自由を味わってもらおうとする。
一方ジュリアンは、これまで自分を寝室に閉じ込めて思いのままにした女たちばかりだったのにと驚き、グレイスに興味を持つ。
グレイスとジュリアンはやがて激しく惹かれあうようになるが、そのときふたりには体を重ねることができない理由が…。(紹介文より)



前置き

ある日突然、目の前にセクシーでゴージャス(笑)な、男性が現れたどうします? 
しかも、その男性が自分だけの ”愛の奴隷” だとしたら……。

と、とんでもない(夢のような? 笑 )設定で始まる本作ですが、このあとにシリーズとして発売されている ”ダークハンターシリーズ” のプロローグ的な話でもあります。 もちろん、別々に読んでも全然支障はないんですが、本作から読み始めると色々な事情がよりわかりやすくなると思いますので、これから読もうかな、と考えられている方は本作から入っていくといいんじゃないかな、と思います 本作のヒーローのジュリアンは ”ダークハンターシリーズ” のヒーローたちと知り合いでもあるので、その当時の人間関係がどんな感じなのかを想像すると楽しいですよ♪

〜感想〜

過去に男性に傷つけられた経験を持つグレイスは、男性を信じることができずに未だに独身のまま。 ちょっとしたデートもしようとしないグレイスを心配した親友のセレナは、あるプレゼントを持ってきます。 それは 魅力的な男性が表紙になっている1冊の本。

そうして、セレナはとんでもないことを言い出します。
表紙の男性は本の中に閉じ込められたギリシアの愛の奴隷 で、彼を呪文で呼び出した女性の言うことを聞くのだと。

もちろんグレイスは信じないのだけど、執拗に試してみるようにセレナにすすめられてとりあえず呪文を唱えてみることに。 すると、突然目の前に表紙と同じ姿の男性が現れます。
本に目を移すと表紙は空白になっていて……。
まさか、本当にこんなことが!?

と驚いて呆気にとられるグレイスだったのだけど、現れた男性はグレイスに近づいて早速……
慌てたグレイスは、男性から離れるのだけど相手にしてみれば何故グレイスが拒絶するのかがわかりません。 過去の間に呼び出した女性の目的は皆同じで、彼に抱かれることしか要求していなかったのだから、なおさらです。
戸惑う男性を前にとにかくグレイスは落ち着こうと、彼と話しあうことに。

すると男性は古代マケドニアの戦士でジュリアンという名前だとわかるのだけど、そうして話をしている間にもグレイスは気が散ってしかたがありません。 なんと言っても、他に類をみないほどゴージャスな男性なので、ついつい見惚れてしまったりします(笑)

さらに困ったことに一ヶ月は彼は本の中に戻れないということがわかります。 気は進まないながらも、グレイスはジュリアンが本の中に戻るまで自分の家にいさせることにするのだけど、ジュリアンと言葉をかわすうちに、彼が二千年もの間閉じ込められていて、たまにグレイスがしたように女性に呼び出されても、食事を与えられなかったり、獣と同様の扱いを受けていたことが言葉の端々から伝わってきて……。

もともと繊細で優しい性格のグレイスは、せめて自分といる間だけでも洋服を着せ、食事をさせて会話をかわす……そうやって友人としてつきあっていこう、と決心します。

一方、ジュリアンのほうも今まで自分を呼び出した女性達とは違う態度をとるグレイスに戸惑うのだけど、同時に ”人間” として接してくるグレイスの態度が嬉しくてたまりません。 と同時に、プライドを捨てて ”愛の奴隷” として服従を強いられていたジュリアンは、かつての誇り高い戦士だった自分を思い出させるグレイスが疎ましくて……。

どうせ、一ヶ月をすぎればまたもとの ”奴隷” に戻るだけ。
なのに、人間らしい喜びや感情を取り戻させてどうしようというのか? その時がくればジュリアンが今まで以上の苦しみを味わうことは想像に難くありません。
グレイスに感謝しながらも、ジュリアンは複雑な気持ちになってしまいます。

それでも、彼女の温かく優しい性格に触れるうちにジュリアンの気持ちは段々と癒されていきます。 そうして、今まで自分を呼び出した女性達には決して感じなかった気持ちを抱くようになり、本心からグレイスを抱きしめたいと思うようになるのだけど……。

そんなジュリアンの態度を嬉しく思いながらも、相変わらず男性に対しては臆病なグレイスはジュリアンに対しても素直に心を開くことはできません。 それでも、ジュリアンの人柄がわかってくるにつれて、彼が今のような境遇にいることに理不尽さを感じたグレイスは、彼をなんとか解放しようと思うようになります。

そもそもジュリアンが ”愛の奴隷” になったのは、”神” が呪いをかけたことが原因。 その ”神” とは女神アフロディーテの息子のプリアポスという名の神なのだけど、実はプリアポスは……ジュリアンの異母兄

そう、なんとジュリアンは女神アフロディーテを母に持つ半神半人デミゴッドだったのです。 なのに、いったい何故、今のような境遇におとされてしまったのか?

多分、ギリシア神話に詳しい方ならピンとくるかと思いますが、ギリシアの神々ってとにかく残酷なんですよね。 罰を与えるときも本当に苦しむように容赦のないやり方をするし、しかも基本的には人間のことはどうでもいい(…いいすぎ?) という態度で、自分の欲望の導くままに振舞うというなんとも困った方たち

ジュリアンも母親は女神でも神々の世界に留まることをゼウスに拒否されたことで、人間の父親のもとへ送られたんですが、この父親がまたとんでもなく残酷で……。 ジュリアンはさんざん痛めつけられて成長することになります。 本当なら神の血を引いていることで、尊重されるような気がするんですがジュリアンの場合はそうではなくて、逆に蔑まれ憐れまれてしまいます。
さらには、普通の人間より丈夫なことから倍以上の暴力行為を受けることにもなり……。

とにかく、ジュリアンが受けた仕打ちはあまりにも痛ましかったです。
でも、運命の女神はジュリアンの前にさらなる悲劇を用意していて……。 結局のところ、その悲劇がジュリアンがプリアポスから呪いを受ける原因になったんですが、でも実際はジュリアンが呪いを受ける理由なんて全然ないんです。

本当なら、プリアポスのほうが裁かれて当たり前、という酷いことをジュリアンに対してしたのに……。
このへんがギリシアの神々の理不尽さというか、本領発揮というか
もう、ほんっとに 「あんたら(失礼) 、理不尽にも程がある と叫びたくなりました。

そんなようなジュリアンの過去をグレイスは知って、何がなんでもジュリアンを今の運命から解放しよう、と堅く決意するのだけど、でもじゃあ、どうやれば彼を解放できるのか?
親友のセレナは占い師で、ギリシア神話のことにも詳しく超常的な現象にも慣れていることから、彼女の助けを借りて方法を探し出そうとするのだけど、セレナは驚くようなことを言い出します。

ジュリアンと親しくしていた神を呼び出して聞けばいい、と
ところがジュリアンも過去には同じ事をしていて、その時は神が応えなかったことから彼は無駄だとまったくやる気なし。それでも、やってみるよう言われてジュリアンは ”エロス” を呼び出します。
すると、今度はジュリアンの前に姿を現して……。

ジュリアンとグレイスのロマンスの行方が気になりますが、アフロディーテ、エロス、プシュケ、等等、ギリシアの神々が登場してくるのも面白かったです
ジュリアンの呪いを解いてたまるか とばかりにプリアポスの邪魔が入ったり、ジュリアンの母親のアフロディーテまでとんでもない自己中ぶりを発揮して、グレイスにジュリアンから離れろ、と脅迫したり、と、やりたい放題の神々なんですが、そんな神たちを相手に引けをとらずに奮闘したグレイスが素敵でした

エロスのおかげで、とりあえずジュリアンを呪いから解放する方法はわかったものの、またこの方法というのが……簡単にはいかなくて

ジュリアンを解放するために男性への恐怖と不審を乗り越えるグレイス。
グレイスを守るためにあえて、呪いを解かず自ら本の中へ戻ろうとするジュリアン。

お互いを思いあう姿が感動的でした
困難を乗り越えて結ばれた二人に温かい気持ちになりました。
やっぱり最後に 「愛は勝つ」 ようです

次は ”ダークハンターシリーズ” 1作目。 『暗闇の王子−キリアン』 です。
ヒーローのキリアンはジュリアンの親友でもあります。 ジュリアンとグレイスもちょっとだけ登場しています




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鏡の中の魔女<ローアシリーズ3>/クレスリー・コール
クレスリー・コール
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(2010-02-17)
Amazonランキング: 127086位

JUGEMテーマ:読書

★★★☆(3.5/5)

あらすじ

180年前に「伴侶」を亡くし、絶望の淵をさまようライキーのボウエン。
彼は多くの種族が参加する壮絶な宝探しレースで、若き魔女マリキータと出会った。
強大な力をもち、将来を担うと予言されるマリキータに、ボウエンは強くひかれる。
が、運命の相手である伴侶は生涯一人のはず。
マリキータは亡くなった伴侶の生まれ変わりなのか? マリキータへの思いと伴侶への罪悪感にボウエンが葛藤するなか、マリキータに邪悪な力が忍び寄っていた…(紹介文より)

〜感想〜

『時の扉を開いて』 で、<タリマンズ・ハイ> のレースで惜しくもヴァルキリーのケイドリンに負けてしまったライキーのボウエンでしたが、少し時間が戻ったところから話は始まります。

ボウエンが<タリマンズ・ハイ> に参加したのは180年前に失った ”伴侶” を再び取り戻すことが目的だったのだけど、レースの出場者の中に何故か気になる魔女がいて……。 魔女の名前はマリキータといって、強い魔力の持ち主でレース中にボウエンに出し抜かれたことに腹を立てて、怖ろしい呪いをかけてきます。
その呪いのせいで、ボウエンは怪我を負っても治癒することができず、レース中に負った傷は増えていくばかりという悲惨な状況に

そして最終的にはケイドリンの”運命の相手”のヴァンパイア、セバスチャンによって閉じ込められる羽目になり、そのまま数日間ほったらかしにされてしまいます。(……セバスチャン、ひどい

幸いにも、ボウエンの親友のラクレインの”伴侶”エマライン経由で、ケイドリンにボウエンを助け出すように伝えることができて、セバスチャンはしぶしぶ(……やっぱり、ひどい)ボウエンを助けに行くのだけど、助け出されたらボウエンの怒りまくることといったら(無理ないです

でも、ボウエンの災難は終わったわけではなく、実はこれからが本格的な災難の始まりだったりします レース中に皮肉にも自分と同じように洞窟に閉じ込めた魔女のマリキータと他の出場者たちがまだ戻ってきておらず、それぞれの種族が彼らの身を心配して一刻も早く助け出すようにと圧力をかけてきていたのです。

彼らの決めた期限までにマリキータを助け出して、連絡をさせないとライキーに戦いを挑むという事態にまで発展していて……。 怪我が治らないままボウエンはマリキータを洞窟から救い出すために行動しなければならなくなります。
それだけでなく、ボウエン自身もマリキータの身が心配で仕方なくて……。
<ローア>の生き物たちは最も力が強くなった状態で、 ”不死” となるのだけれど、実はマリキータはまだ ”死すべき存在” のまま。

普通の人間と同じように大怪我をしたら死んでしまいます。
そのことを初めて知ったボウエンはほとんど恐怖に近いものを感じます。 マリキータを失うと考えただけで生きた心地がしなくて……。
まるで、それは ”伴侶” に対して感じる気持ちのようで、ボウエンは混乱するのだけど、とにかくマリキータを助け出さなければ話ははじまりません。

ボウエンはマリキータが閉じ込められている洞窟へ向かい、彼女を助け出そうとするのだけど”呪い”のせいでいつものような力が出せず、苦労する事になります。
折りしも、マリキータと他の出場者たちは戦いの最中でボウエンは力を貸そうとするのだけど、ボウエンの姿を見た途端、マリキータは彼を殺そうとして……
……ボウエンのせいで酷い目にあったことを思えば無理もないです

そんなこんなで、ちょっとした小競り合いがあったものの、何とかマリキータも他の出場者たちも洞窟から逃れることができたのだけど、ボウエンに対する恨みはすぐには消えません。 彼を無視して自分たちだけでそれぞれの種族のもとに戻ろうとするのだけど、そうなるとボウエンが役目を果たすことができなくなってしまいます。
そこで、ボウエンは事情を説明して自分も加わることを何とか納得させて行動を共にすることになるのだけど、マリキータがかけた呪いの問題が残ってしまいます。
治癒ができなくなる、という呪いは解いてもらったものの、マリキータを ”伴侶” だという思い込みのほうは……。

そもそも、マリキータ自身そんな魔法をかけた覚えがないことから、呪いを解いてくれ、といわれても戸惑うばかり。 ボウエンにひそかに心惹かれていたマリキータは無意識のうちに、魔法をかけてしまったのかもしれない、と、今ひとつ自信をもてなくて完全に否定することもできず……

そう、実はマリキータも最初からボウエンには魅力を感じていて、憎からず思っていたようで……。それだけに、ボウエンがした仕打ちはかなりの衝撃で、マリキータはなかなかボウエンを許すことができずにいたのだけど、ボウエンが ”伴侶” への想いを抑えることができず、とりあえずマリキータを ”伴侶” として扱うことに決めたことで、二人の関係はややこしくなっていきます

いったん、マリキータを ”伴侶” として認めることに決めたボウエンは、180年もの間求め続けた”伴侶” への愛情を溢れんばかりにマリキータに向けるようになります。 ライキーの ”伴侶” に対する愛情はとても深いもので、『満月の夜に』 のラクレインを見ればわかるように、すべての行動が”伴侶”の幸せのため。

至れり尽くせりのボウエンの態度にマリキータも拒絶し続けることが段々難しくなっていくのだけど、”本当に自分がボウエンの伴侶なのか?” どうしても確信することができません。 もし、このままボウエンに心を許してしまったあとで、本当の”伴侶”が現れたら? 
そんな怖れからマリキータはできるだけボウエンを退けようと努力するのだけど、本気になったライキーのアタックに抵抗し続けることはやっぱりできなくて、マリキータはボウエンを愛するようになっていきます。

一方、ボウエンもまたマリキータが ”本当の伴侶” なのかどうか確信を持つことができません。 それでも、マリキータと過ごすうちにやはりボウエンも彼女自身を愛するようになっていくのだけど……。

もう、とにかくボウエンの尽くしっぷりが凄かったです。 180年間、行き場のなかった愛情が一気にマリキータに浴びせられる(笑)様子には、照れくさいやら、羨ましいやら、で、微笑ましい気持ちになりました。 ほんとに、ライキーっていうのは愛情深い種族なんだな、と再認識しました

とはいえ、すぐにめでたしめでたし、というわけにはいかず、過去に失った ”伴侶” が案の定(笑)姿を現したり、実はボウエンの悲劇には隠された陰謀があったり、と、ボウエンとマリキータが幸せになるには、いくつかの困難を乗り越えなければなりません。

二人とも結構大変な思いをすることになりますが、それだけに最後のほうで迎えたハッピーエンドには思わず胸がじ〜んとなりました
180年の間ひたすら”伴侶”を求め続けたボウエンがやっと幸せを摑むことができて本当に嬉しかったです

とりあえず、本シリーズで出ているのは3作目までなので、次の感想はまたしばらく後になりますが、早く続きが読めるいいな、と思っています



| パラノーマル | 20:08 | comments(0) | trackbacks(0)|- pookmark
時の扉を開いて<ローアシリーズ2>/クレスリー・コール
クレスリー・コール
ソフトバンククリエイティブ
¥ 930
(2009-10-16)
Amazonランキング: 57348位

JUGEMテーマ:読書

★★★★(4/5)

あらすじ

兄の手により、ヴァンパイアにされたセバスチャン。
運命を呪う彼のまえに現われたのは、妹を殺されたことですべての感情を失い、ヴァンパイア狩りを生きがいとするヴァルキリーのケイドリンだった。
出会った瞬間、セバスチャンは彼女が運命の相手である「花嫁」だと気づく。
ケイドリンもまた、憎むべき相手に身も心も溶かされてしまう。
同じ折り、大規模な宝探しレースが開催され、魔法の鍵を入手すべく、ふたりはレースに参加するが…(紹介文より)

〜感想〜

『満月の夜に』 で、ヒロインのエマラインの父親がライキーの王ラクレインを捕らえて150年間拷問にかけたヴァンパイアの王デメストリューだった、という驚きの真相が明かされましたが、そんな障害も乗り越えて二人はめでたく(笑)結ばれました。そんな騒動のなかで ”凍てついた心のケイドリン” として登場したヴァルキリーの彼女が今回はヒロインです。

何故、そんな呼び名がついているのか?
それは過去に起きた ”大決戦” のヴァンパイアとの戦いで、ケイドリンの身に起きたことが原因で、 ヴァンパイアとの戦いの最中に相手に憐れみを感じた彼女は殺さず見逃してあげたのだけど、その直後ケイドリンが見逃したヴァンパイアが彼女の妹二人を殺してしまいます。

”自分の甘さが妹二人を死なせてしまった” 

激しい罪悪感に襲われ心が壊れそうになったケイドリンだったのだけど、その時 ”天啓” が彼女の身にもたらされます。 それはある女神がケイドリンを憐れんでしたことで、その時からケイドリンは感情のすべてをなくすことになります。
そうして、ケイドリンは哀れみも後悔も感じることなくヴァンパイアを殺し続けることに。
それから千年後−。

ケイドリンはいつものようにロシアの城に住んでいるというヴァンパイアを狩るために訪れるのだけど、そこにいたヴァンパイアのセバスチャンは何故か抵抗する素振りも見せず、おとなしくケイドリンに殺されようとします。 そんなセバスチャンの態度にケイドリンは戸惑い、言葉をかわすうちに自分でも信じられないことに感情が戻るのを感じて……。

一方、セバスチャンもまたケイドリンの美しさに魅入られてケイドリンを見つめずにはいられない自分に戸惑っていたのだけど、その時自分の心臓が突然音をたてて動き出すのを感じて……。

ヴァンパイアに鼓動が戻るのは ”花嫁” にめぐり合ったときだけ。

セバスチャンはケイドリンが自分の ”花嫁” だと気づき、彼女の側に行き触れるのだけど……。
ケイドリンも自分が目の前のヴァンパイアの ”花嫁” だと悟るのだけど、それは絶対に受け入れることのできない事実。
セバスチャンから離れようとするのだけど、ケイドリンもまた彼に惹かれるものを感じてしまいます。 そうして抵抗できない磁力に導かれて抱きあう二人。

……だったのだけど、ケイドリンが我にかえりその場から逃げ出します。
残されたセバスチャンは彼女の後を追いたくても、まだ昼間だったことからできずに一人残されてしまいます。 でも、そんなことで ”花嫁” を諦めるはずもなく、セバスチャンはケイドリンを追うために ”トレース”(瞬間移動)の能力を使うのだけど……。

一方、逃げ出したケイドリンは自分の行動と感情が信じられず混乱状態に いったい、何故今頃感情が戻るのか? セバスチャンのせいなのか?
答えは見つかりません。 とりあえず、気を取り直して彼のことは忘れることに

ケイドリンにはセバスチャンのことよりも大事なことが待っていました。
それは250年に一度<ローア>で開催される <タリマンズ・ハイ> と呼ばれる宝探しゲームに参加すること。
過去にもケイドリンは出場していて、過去5回の優勝者でもあります。 そのために大会が開催される会場へ来ていたケイドリンだったのだけど、そこへトレースしてきたセバスチャンが現れて……

<ローア> ではヴァンパイアはすべての種族から忌み嫌われ、畏れられている存在で、セバスチャンの姿を見た出場者たちはパニックに陥ります。
ところが、ヴァンパイアからも人間達からも離れて暮らしていたセバスチャンは、そんな事情にも疎く周囲の反応にはお構いなし。 ただひたすらケイドリンの側へ行くことしか頭にありません そのせいで、前作に登場したライキーの王ラクレインの親友のボウエンと、ちょっとした争いになるのだけど、やはりヴァンパイアにかわりなく見惚れるような戦いっぷりを披露してくれます。

そんなセバスチャンの姿を見て不思議とときめいてしまうケイドリン(笑) オマケにセバスチャンが ”花嫁” を守ろうとケイドリンの保護者のような態度をとるものだから、周囲の驚きは増すばかりで……。 とんだ大騒ぎになってしまい、大会が中止になったら大変とばかりケイドリンはセバスチャンとボウエンの戦いを止めるのだけど、セバスチャンは不満顔
彼の拗ねっぷりが可愛かったです

そんなこんなで、騒ぎを静めて大会の主催者の発表を聞くことができるようになったのだけど、優勝者に与えられる賞品が ”何” なのかを知らされた途端、ケイドリンは何が何でも優勝しなければならない と固く決意します。

なぜなら、賞品は ”トラーネの鍵” と呼ばれる 「時間旅行を可能にする」 アイテムだったから。

トラーネの鍵 を使えば、妹たちがヴァンパイアに殺された時間に戻って助けることができる。 そう思い当たったケイドリンは、手段を選ばず優勝することだけを考えるようになるのだけど、そこへセバスチャンが自分もケイドリンに協力すると言い出して……。
”花嫁” の願いをかなえようというけな気な男心(笑)なのだけど、ケイドリンにしてみれば大きなお世話。 セバスチャンの影響で感情が戻ってしまうのも困るし、何よりも妹たちを殺した憎いヴァンパイであることに変わりはありません。
そんな相手に気持ちを揺さぶられるもおもしろくなくて……ケイドリンはセバスチャンを遠ざけようとするだけど、<運命の相手> に対するローアの生き物たちが示す反応は決して抑えられるものではありません。 ”花嫁” に何がなんでも着いていこうとするセバスチャンの決意と、行動力に感心させられました

<タリマンズ・ハイ> の出場者たちはそれぞれの事情を抱えていて、今回の賞品 ”トラーネの鍵” をケイドリンと同じくらい求めている者ばかりです。
中でも、ライキーのボウエンはかつて過去に失った ”伴侶” を取り戻すため、ケイドリンの強力な敵として立ちはだかることになります。

ヴァンパイアのセバスチャンの猛烈なアタック(笑)と、<タリマンズ・ハイ>の優勝を巡ってくり広げるボウエンと命がけのやりとりをケイドリンはいかにして乗り切っていくのか?
ドキドキさせられる恋愛の駆け引きと、ハラハラするレースのスリルとが絡み合って最後まで緊張感が途絶えることなく、楽しく読むことができました 

最後までケイドリンを諦めなかったセバスチャンの一途さと、ヴァンパイアに対する葛藤を乗り越えてセバスチャンを愛するようになったケイドリンの姿に感動しました

次は 『鏡の中の魔女<ローアシリーズ3>』 です。
ヒーローはいよいよ、ライキーのボウエンです。 ”伴侶” を失った彼はどうやって彼女を取り戻すのか? 次を読むのが待ち遠しいです


| パラノーマル | 08:49 | comments(0) | trackbacks(0)|- pookmark


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