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黄金の翼/アイリス・ジョハンセン
アイリス・ジョハンセン
二見書房
¥ 870
(2009-04-20)
Amazonランキング: 235458位

JUGEMテーマ:読書
 
★★★☆(3.5/5)

あらすじ

18世紀末、バルカン半島小国の国王の姪として生まれた少女テスは、ある日溺れかけたところをひとりの青年に助けられた。
それから六年後―修道院から戻ったテスの前に、あの日命を救ってくれた男、砂漠の国セディカーンの族長ガレンが現われる。 祖国統一を望むガレンは、後ろ盾としてテスを娶るかわりに、三年後に彼女に自由を与えようと持ちかけた。
横暴な両親による政略結婚から逃れるため、ガレンとの愛のない結婚へと踏みだしたテスは、やがて思いもよらぬ運命にのみこまれてゆく…。(紹介文より)


〜感想〜

『ふるえる砂漠の夜に』 と同じくセディカーンを舞台にした話です

バルカン半島小国タムロヴィア国王の姪のテスは、少女の頃に出会ったセディカーン国の族長ガレンと数年後に再会しある取り引きを持ちかけられます。

セディカーン国内の部族の統一を望んでいるガレンにとって、タムロヴィア国王のテスは利用価値のある存在。 彼女と結婚することによってタムロヴィア国の軍事的保護を手に入れ、部族の統一に反対している族長たちよりも強力な軍の後ろ盾があることを示すことができます。
そうすることによって、他の族長達を説得しやすくなります。

ガレンはそういった自分の目的をテスに隠さず話し、自分と結婚すればテスが何よりも欲している ”自由” を与えることを約束します。 
タムロヴィア国王の姪として、愛していない相手と政略結婚することを受け入れるつもりだったテスにしてみれば、ガレンの申し出はとても魅力的なもの。
少女の頃に出会ったガレンの優しさを覚えていたテスは、彼の申し出を受け入れることにします。
そうして、ガレンとテスは ”3年間だけ” という期限付きの結婚生活をすることになるのだけど……。

そうそう計画どおりにいかないのが男女の仲というもの
自分の目的を果たすための手段として割り切っていたはずのガレンは、テスの魅力にぐいぐい惹きつけられることに。
一方、テスは最初から愛情を期待することもなく、ガレンに対してもさばさばした振る舞い。
そんなテスの振る舞いに、逆に物足りなさを感じたガレンは、テスの信頼と愛情を向けてもらいたいと思うようになっていきます。

ただ、ガレンは自分のことを ”野蛮人” だと思っていて、いつその野蛮さが表に出てきてテスを傷つけることになってしまうか、不安でたまりません。 そんなことにならないよう、自分の野蛮さを抑えるようにしていたガレンだったのだけど、ある日誤解がもとでテスが自分を裏切ったと思い込んだガレンはとうとう感情を爆発させてしまいます

”可愛さあまって憎さ百倍” 
嫉妬に狂ったガレンの姿が怖かったです(笑)
とはいっても、テスをガレンが傷つけることができるはずがなく、このことが逆に二人の絆を強めることになります。
すっかりテスに心を奪われて振り回されるガレンがちょっと気の毒でした(笑)

セディカーンの統一を巡る争いを乗り越えてガレンとテスがどんな結末を迎えるのか?
ハッピーエンドだとわかっていても、お互いの気持ちを誤解してすれ違ったり、テスが誘拐されて危険な目にあったり、と、結構やきもきさせられました
が、最後はほのぼのとした幸せな気持ちになれる作品でした



| ヒストリカルロマンス | 18:57 | comments(0) | trackbacks(0)|- pookmark
女海賊メアリ・リード(4)完 二人の女海賊/ミレイユ・カルメル
ミレイユ・カルメル
草思社
¥ 1,470
(2009-01-22)
Amazonランキング: 246632位

JUGEMテーマ:読書

★★★☆(3.5/5)

あらすじ

ついに海賊として生きる決意をしたメアリ・リード。
カリブ海を奔放に駆け抜ける女海賊の名を、人々は畏れと尊敬をもって口にする。
そして、海の上での自由と闘いとに魅せられた女がもう一人。
その名はアン・ボニー。
二人の女海賊をつなぐ、哀しく切ない運命の糸。(紹介文より)

〜感想〜

『女海賊メアリ・リード(3) 復讐のカーニバル』 で、バレッティを失い自らも拷問を受けて傷ついたメアリでしたが、フォルバン、コルネイユの変わらぬ愛情によって癒されました。 そして、コルネイユとともに生きることを選び、今では女海賊メアリ・リードとして名を馳せるようになっています。

ただ、今でもやはり自由を求め続ける性格は変わらず、コルネイユとの間にせっかく授かった赤ちゃんも彼女にとっては重荷でしかなく……。 流産をするにまかせてしまいます。
そんなメアリの勝手さに腹が立ちました。

コルネイユがほしがっていることを知りながら、自由を束縛されるのが嫌だから、という理由でそんなふうにするなんて…… しかも、コルネイユはそんなメアリの気持ちを知っても、許すんですから。
メアリって、こんな嫌な女だったっけ? と、ちょっと意外でした。

その流産がもとでメアリは感染症を起し、しばらくのあいだ寝たきりになってしまいます。 心配するコルネイユにいつものように海へ行くようにいうメアリだったのだけど、それがとんだ事態を招いてしまいます。 メアリがいないことで、つい無理をしてしまったコルネイユは捕まってしまい、処刑されることに。
助けに向かったメアリたちだったのだけど、逃げる途中で銃に撃たれたコルネイユは還らぬ人に

悲しみを胸に秘めてメアリとジュニアは再び海へでます。
コルネイユのあとを継いだジュニアを船長にして。
そうして、襲った船に思いがけない人物が乗っていました。 その人物はかつてメアリが愛しエンマに殺されたはずのバレッティ侯爵。
無惨なやけどのあとはあるものの、紛れもないバレッティ本人の姿にメアリはかつての愛がよみがえるのを感じ、彼の胸へと飛び込んでいきます。
バレッティは自分のやけどの醜い跡を見てメアリが拒絶すると思い込んでいたのだけど、実際は全然そんなことはありませんでした。
…… こういうところがあるから、メアリを完全に嫌えないんですよね

一方、その頃ある場所では一人の少女がエンマの手によって思いがけない運命へと導かれていきます。 裕福な両親のもとで幸せに暮らしていたアンと呼ばれる少女は、母親の死を機に辛い目にあうことに。父親によって無理やり修道院に入れられたアンはある日、脱走します。 
実は、父親がアンを修道院に入れたのはエンマがアンにつきまとうのをやめさせるためだったのだけど……。

その後知り合った男と結婚し、しばらくは平穏に暮らしていたものの持ち前の冒険心が抑えきれず、海賊ラカムに惹かれるまま彼の船に乗り込み海へと飛び出します。
そうして、もう一人の女海賊が誕生することに。

そして、メアリとバレッティは彼の怪我を完全に治すためにエンマに奪われた ”水晶ドクロ” を探す旅にでることに。
そして二人は運命の導くまま、その途中ラカムの率いる船に出会います。
メアリとバレッティはそのままラカムの船に乗ることにするのだけど、そこでアンに出会ったメアリは彼女こそ、エンマに殺されたはずの自分の小さな娘だということに気づきます。

最後まで探さなかったことに罪悪感を感じていたメアリは自分が母親だということをなかなか打ち明けられず……そうこうするうちに、アンがとんでもないことを言い出します。

メアリを愛していると
実はアンがメアリに感じている愛情は娘が母親に寄せるのと同じものなんですが、アンにはその違いがわからず、自分は恋をしたんだとかん違いしているだけ。
メアリは思わず 「あなたの母親だから」 と言うのだけど、アンは本気にとってはくれず……幼い頃の記憶を失っているアンにしてみれば当たり前の反応なんですが、メアリにしてみればかなり困った事態。 そのせいで二人の仲はこじれてしまいます。
それを見て焼きもちをやいたのはラカム(…やれやれ )

メアリをライバル視するようになったラカムは、メアリの忠告を無視したことで軍に捕えられる羽目に陥ってしまいます。 メアリとアンも同じく捕らわれの身になり、辛い目にあわされるのだけど……。

とうとう、メアリの物語りも本作で完結です。
メアリはアンに母親だと信じてもらうことができるのか?
そして、アンにつきまとうエンマの狙いは?

メアリとエンマ。
長かった二人の争いもやっと終りを迎えます。
少しだけエンマが気の毒と思わないでもなかったですが、最後はすっきりしました。

今ひとつメアリを好きにはなれなかったんですが、でも、ちょっとだけこんなふうに生きられたら……なんて思ったりもしました ……多分(絶対)無理ですけど、思うだけならいいですよね(笑)
なにはともあれ、メアリもエンマも魅力的な女性だったことは確かです


| ヒストリカルロマンス | 21:56 | comments(0) | trackbacks(0)|- pookmark
女海賊メアリ・リード(3) 復讐のカーニバル/ミレイユ・カルメル
ミレイユ・カルメル
草思社
¥ 1,470
(2009-01-22)
Amazonランキング: 232784位

JUGEMテーマ:読書

★★★(3/5)

あらすじ

夫と娘の命を奪ったエンマ、その背後で糸を引く謎の侯爵を追って、メアリはベネチアへ渡った。
水の都はカーニバルの狂乱のさなか、仮面の下に、だれもが陰謀と欲望を隠している。
復讐のため、修道女にそして娼婦に身をやつして侯爵に近づくメアリ。
彼女を待っていたのは、予想もしなかったいたわりだった。
だがそれは、本物の優しさなのか、偽善なのか、計略なのか― 愛と憎しみと嫉妬と。
交錯するそれぞれの思惑、からみあう運命の糸。(紹介文より)


〜感想〜

『女海賊メアリ・リード(2) 水晶ドクロの秘密』 で夫と娘を殺され、地獄の底へと突き落とされたメアリは、残された息子のジュニアをかつての恋人フォルバンに預け、一人復讐へと向かいます。

エンマに手を貸したと思われるバレッティ侯爵に近づくために、娼婦となって彼とつながりのある人物ポレドニに抱かれます。 ところが、思うようにバレッティの側には近づけず、メアリ自身気づかぬうちに娼婦としての快楽に溺れるようになってしまい……

そんな時、バレッティの友人で配下でもある人物コークが、メアリの目的が復讐だということを知って、バレッティに教えます。 それを知ったバレッティは何故自分が復讐の相手なのか?
心当たりがないものの、メアリの目的を知るために自分から彼女に近づくことに。

そうして、ポレドニからメアリをとりあげたバレッティは、彼女から真相を聞きだすために信頼を得ようとするのだけど…… 逆に心を奪われる羽目に。
メアリもまた、想像したのと違い思いやりのある尊敬できる人物のバレッティに戸惑い、心を惹かれるようになります。

…… どこにいってもメアリの虜になる男性は現れるみたいです
また、そういった男性がまた尊敬できるひとかどの人物ばかりなものだから、メアリも惹かれてしまうんですよね。
無理もないかもしれないけど、でもやっぱり流されてるだけのような気も

一方、ジュニアを預かっているフォルバン&コルネイユはそんな成り行きが気に入らず……。フォルバンとコルネイユはお互い恋敵でしたが、メアリの心がバレッティに向いたことを知って 同類相憐れむ 状態に 
どちらにしても、すでに勝ち目のない二人はとにかくメアリとジュニアの幸せを願います。 ……本当にいい男たちです

メアリからすべてを聞いたバレッティは自分の秘密をメアリに打ち明けて、財宝探しの鍵となる ”水晶ドクロ” をメアリに贈ります。 そうして二人は心を許しあい共にいることにするのだけど……。

またもやエンマが現れて
バレッティを殺し、とうとうメアリを捕えたエンマは思うさま彼女をいたぶり拷問にかけ……愛しているのに報われない恨みをそのままメアリにぶつける様子は憐れでしたが、怖かったです。
やっとコルネイユがメアリを助け出しに来た時は本当にホッとしました。

かなり酷い目にあわされたメアリでしたが、逆にこのことが不思議なことに癒しにもなりました。 いわゆるショック療法というやつでしょうか。 エンマに対する復讐心は消え、心穏やかに。
そうして、メアリは息子のジュニアとともに常に変わらぬ愛情を捧げてくれるコルネイユと新たな人生を生きることを選びます。

その時からメアリは海賊としての人生を歩むことになります。
なんだか矛盾しているようではありますが、メアリにとっては自分の思うがままに生きることが、海賊という生き方だった、というということなんでしょうね。 
そして次の 『女海賊メアリ・リード(4)完 二人の女海賊』 へ続きます。


 
| ヒストリカルロマンス | 22:10 | comments(0) | trackbacks(0)|- pookmark
女海賊メアリ・リード(2) 水晶ドクロの秘密/ミレイユ・カルメル
ミレイユ カルメル
草思社
¥ 1,470
(2008-12-25)
Amazonランキング: 209038位

JUGEMテーマ:読書

★★★☆(3.5/5)

あらすじ

変装し、オランダ軍の兵士となったメアリは、飢えた獣のように戦闘の渦中に身を投じた。
驚異的な身のこなしと剣さばき。
伝説の新兵の噂が軍団中にたちまち広まる。
「あいつはあまりにも危険だ」その戦場での、一人の男との出会いが、彼女の運命を大きく変える。
ようやく幸せをつかみかけたメアリは、エンマの魔の手が再び迫っていることを、まだ知らない ―クリスタルスカルがもたらす悲劇。
美しく、強い。
男も女も魅了した男装の女海賊が、戦場で見つけた本物の愛。(紹介文より)


〜感想〜

『女海賊メアリ・リード(1) 偽りの天使』 で、トビアスから逃れたメアリは男装してオランダ軍の船に乗り込み、兵士として戦いに身を投じることになったのだけど、その戦いの中で一人の男に出会います。 男の名はニクラウスといい、戦闘中に自らも怪我を負いながらメアリを助け出してくれた勇敢な兵士で、メアリは戦友として彼と行動を共にすることになります。

そうするうちにニクラウスの勇敢さや優しさに惹かれるようになり、ある日メアリは自分が女だということをニクラウスに明かします。 驚くニクラウスだったのだけど、たちまちのうちにメアリに惹かれていき……。 ある日、メアリは自分が妊娠したことに気づきます。
そんな自分にすっかり腹を立てるのだけど、ニクラウスに打ち明けると思いのほか大喜び

財宝探しの旅に出る計画を立てていたメアリは自由を奪われることを嫌うのだけど、子供が生まれて一緒に旅立てるようになるまでのちょっとだけの辛抱だという、ニクラウスに説得されます。 そして二人は軍を辞めて結婚し、ニクラウスの従兄弟が営んでいる宿屋を手伝って暮らし始めます。

はじめこそ、落ち着かなかったメアリだったのだけど、ニクラウスの深い愛情に今までの波乱に満ちた人生を忘れ穏やかで充実した幸せな毎日を過ごすようになっていきます。 そうするうちにメアリはまた身ごもってしまいます。 財宝探しの旅に出る約束を忘れていなかったメアリは、ニクラウスを責めるのだけど、ニクラウスは悠然とした態度でメアリをあやして落ち着かせます。

ニクラウスもまたメアリの態度に傷ついていたのだけど、でも、本当はメアリはただ怯えていただけでした。 人を愛する ということを。
ニクラウスと息子によって、メアリは最も価値ある宝物は愛を分かち合う人がいることなのだと気づきます。 メアリはニクラウスと出会ったことで、やっと今まで自分が味わってきた孤独や苦痛から解放されたのでした。

一方、メアリに深い関わりを持つエンマは財宝探しを続けていました。 そうして手がかりを持つと見られるバレッティ侯爵に近づこうとするのだけど、エンマは逆に手玉に取られてしまいます。 どうやら侯爵も財宝に興味を持っているようなのだけど……。
この二人の出会いが、幸せに暮らしているメアリに悲劇をもたらすことになってしまいます。

エンマはバレッティ侯爵に財宝の手がかりになるもう一つの翡翠のペンダントを手に入れるように言われるのだけど、その持ち主はメアリ。

そしてメアリはニクラウスと共に、財宝探しの旅に出る準備をしているときで……。 コルネイユに今までのことを謝り、許してくれるなら財宝探しの手伝いをしてほしいという手紙を出すのだけど、その手紙が何故かエンマの手にわたってしまいます。
その手紙を読んだエンマは大激怒。
「可愛さあまって憎さ百倍」 で、メアリを苦しめたいと思うようになってしまいます。

そして、メアリのいる場所へと向かったエンマは宿屋に残っていたニクラウスを殺し、小さな娘のアンをその場から連れ去ってしまいます。

たまたま出かけていたメアリと息子のジュニアは無事でしたが、戻った二人が見たのは愛する夫であり父親であるニクラウスの無惨な姿 …… メアリは復讐を誓います。
そうして、かつての恋人で親友でもあったフォルバンにジュニアを託し、エンマへ復讐するための計画を実行に移すのだけど……。

ニクラウスが殺されたのはすごくショックでした。
メアリの今までの恋人たちと違って、メアリに翻弄されることなく逆に彼女を落ち着かせることができて、包容力のあるとても素敵な男性でした。
あのまま彼が生きていたら、メアリの人生はまた違ったものになっていたはずなのに……。

とはいえ、すべては起きてしまったこと。
悲しみと憎しみを胸にメアリはエンマへの復讐と攫われた娘アンを取り戻すため、手がかりを持つと思われるバレッティ侯爵のいるヴェネチアへと旅立ちます。

メアリはアンを取り戻すことができるのか?

次の 『女海賊メアリ・リード(3) 復讐のカーニバル』 へ続きます。


| ヒストリカルロマンス | 23:26 | comments(0) | trackbacks(0)|- pookmark
女海賊メアリ・リード(1) 偽りの天使/ミレイユ・カルメル
ミレイユ カルメル
草思社
¥ 1,470
(2008-12-25)
Amazonランキング: 89780位

JUGEMテーマ:読書

★★★☆(3.5/5)

あらすじ

「わたしは女の子?男の子?」
あなたは天使。天使に性別はないの」
少女に少年の装いをさせて、母娘は一世一代の賭に出る。
それが少女にいかなる運命をもたらすとも知らず―。
18世紀初頭、カリブ海に男装の麗人として名を馳せた、伝説の女海賊がいた。
その名はメアリ・リード。
イギリスの富豪の家で育ったメアリは、なぜ男装し、海賊になったのか?(紹介文より)


〜感想〜

実在した伝説の女海賊をもとにした話らしいということで、興味をひかれて読んでみました。
ヒロインのメアリ・リードの母親セシリーは貴族の次男と結婚したものの、相手の家族はセシリーを認ず息子は勘当されてし経済的な援助も止められてしまいます。

夫は水夫として働くようになり、貧しいながらも息子にも恵まれてつかの間セシリーは幸せを味わうのだけど、ある日夫は海にでたまま還らぬ人に。
その後、漁師をしているトムという男と再婚。
可愛い女の子が生まれます。
この女の子がメアリー・リードです。

ところが、またもやセシリーを悲劇が襲います。
トムもまたある日家を出たまま姿を消してしまいます。 トムの身に何がおこったのかは不明のまま。 セシリーは女手一つで幼い息子と娘をそだてなければいけなくなるのだけど、息子もまた亡くなってしまい……。

貧困の中でセシリーは、生きるために賭けにでることを決意します。
それは、娘のメアリーを亡くなった息子と偽り、最初の夫の家族のもとへ身を寄せること。
そんなセシリーの思い切った賭けは成功し、メアリーとセシリーはやっと貧しさから脱することができます。 さらには男の子に変装しているメアリーは貴族としての教養も身につけていくことに。

ただ、母親のセシリーは貧しい家庭の出であることから、蔑みの目を向けられてしまいます。 母親に対する仕打ちを見て憎しみにかられるメアリーだったのだけど、母親を守るために表面上はいい子を演じ続けます。

ところが、セシリー母娘に悲劇が訪れます。
渋々ながらも二人を受け入れた叔母が病死してしまい、相続人のトビアスはすぐさまセシリーとメアリーを放り出してしまいます。 そのことを事前に察していたメアリーは、値打ちのありそうな宝石類をちゃっかり懐に。 …… 逞しいですね 

それでも、換金したお金はあっという間に底をつき、再び二人は貧しい暮らしに戻ってしまいます。
今度は助けの手も差し伸べる人もなく……とうとうセシリーは身を売ることに
そして追い討ちをかけるかのように、トビアスが雇った ”黒衣の男” がセシリーたちを探し出し、セシリーを殺してしまいます。

何故?

それは、メアリーが家を追い出されるときにトビアスの服のポケットから持ち出した翡翠のペンダントが原因でした。 そのペンダントは、財宝のありかをつきとめるための物だったのです。
母親を殺されたメアリーは、そんな理由まではわからなかったのだけど、トビアスが黒幕だということに気づきます。 そこでメアリーは単身アメリカへと旅立つのだけど……。

この時からメアリーの激動の人生がはじまっていくことになります。
とにかく、このヒロインは生きようとする意思が強く、知識を得ることに貪欲で行動力も抜群。 持ち前のバイタリティで、どんな困難も乗り越えていきます。

アメリカに着いたメアリーは、エンマという貴婦人と出会います。
エンマに気に入られたメアリーは男と偽ったまま、彼女の秘書として仕事をすることになるのだけど、エンマの亡くなった夫は武器商人で、彼女はそのまま夫の仕事を引き継いでいて、仕事の内容はいささか怪しげなもの。 それでも、エンマの野心ある生き方にメアリーは魅せられていきます。
エンマもまたメアリーに惹かれていくのだけど、なんといってもメアリーは女。
エンマの誘惑をのらりくらりとかわすメアリーだったのだけど、実はエンマはとっくにメアリーが女だということを知っていて、その上で誘惑していたことがわかります。
そうして、二人は恋人同士に。

どうもメアリーは男とか、女とか、あまりこだわりがないようで
もちろん、エンマのことが好きだったということもあるんですが、あまりにもあっさりそういう関係になってしまったので、ちょっとビックリしました
その後もエンマの仕事のやり方を学んでいくメアリーだったのだけど、驚いたことにエンマのもとへトビアスが現れて……

メアリーはトビアスから逃げ出し、出航しようとしていた船へと逃げ込みます。
そしてまた新たな冒険が始まることに。
船の船長はフォルバンという魅力的な男性。
メアリーは、ここでも男に変装しているのだけどフォルバンにはお見通し。 メアリーはフォルバンと恋に落ちます。 

そうして、今度はメアリーはフォルバンから船乗りとしての技術を学んでいくことになります。 メアリーはこれこそが自分の望んでいたものだ! と確信し、生き生きと船での生活を楽しむのだけど、船に女が乗っているのはよくないこと。 フォルバンとも別れの時がやってくるのだけど、フォルバンの右腕のコルネイユが陸におりたメアリーの手助けをしてくれます。
このコルネイユもメアリーに惚れた一人。

……とにかく、メアリーの生き生きとした魅力に男たちは惹かれずにはいられないらしく、次から次へと彼女の虜になる男が現れてきます(笑) そしてメアリーもまた、そんな男たちに応えていくのだけど……。 もちろん、メアリーもちゃんと愛情を感じているのだけど、でも、ただ流されてるだけ、のようにも思えて……。 あんまりいい感じはしませんでした。

ただ、コルネイユがメアリーに寄せる愛情は真摯で誠実なものということがひしひしと伝わってくるので、この時は嫌な感じはしませんでした。
メアリーも最初はそれほどコルネイユに対する気持ちが強くはなかったんですが、段々と本当に彼を愛するようになります。  そうして、二人に幸せが訪れるのかな、と思ったら、エンマがメアリーの前に現れて……。

エンマはトビアスと手を組み、宝を探し出すために翡翠のペンダントを手に入れようとしていたのだけど、死んだと思っていたメアリーの姿を見て喜びに包まれます。 ところが、メアリーは冷めたものでエンマのことは今ではなんとも思っていません。
メアリーのそっけない振る舞いにショックを受けるエンマ。 そこへトビアスまであらわれて……。

もう、何が何やら

何とか逃げ出したメアリーは、コルネイユとの合流を諦めて一人イギリスへとむかうのだけど……。 果たしてメアリーを待ち受けているものは?

次の 『女海賊メアリ・リード(2) 水晶ドクロの秘密』 へ続きます。

 
| ヒストリカルロマンス | 19:51 | comments(0) | trackbacks(0)|- pookmark
砂塵きらめく果て/ノーラ・ロバーツ
ノーラ ロバーツ
ハーレクイン
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(1995-08)
Amazonランキング: 1222113位
JUGEMテーマ:読書

★★★★☆(4.5/5)

あらすじ

一八七五年、父の離れ離れに暮らしていた父を探しにアリゾナの砂漠を訪れたセーラ。 しかしそこには父の姿はなく、ある孤独な男との出会いが待っていた。 (紹介文より)


前置き


つい最近 【オーストラリア】 という映画の試写会に行ってきました。
広大なオーストラリアの地を舞台にイギリスのレディと荒くれ者のカウボーイの恋愛がアボリジニの少年をとうして語られていくのだけど、雰囲気になんとなく見覚えがあるような気がして……。

そうして思い出したのがこの 『砂塵きらめく果て』 。
設定は違うし、ストーリーも違うのだけど作品の持つ雰囲気というか、読みながら自分で勝手に思い浮かべていた景色とか登場人物が似ていたのが原因だったよう。
本当にそうだったのかな? と久しぶりに読み返してみる事に。

実際に読んでみるとやっぱり全然違ったのだけど、ヒロインはニコール・キッドマンを、ヒーローはヒュー・ジャックマンを当てはめて読んでしまいました(笑) 映画のほうでもこの二人はとっても絵になってました




〜感想〜


東部で父顔から離れてレディとしての教育を受けていたセーラ。
学校を卒業し、父親と暮らすためにはるばる西部まで旅してきたものの、そこで待っていたのは父親が死んだという悲しい知らせ。

町までセーラを連れて来たカウボーイのジェイクは彼女に惹かれるものの、自分とは世界が違うとあえてそっけない態度をとります。 そんなジェイクに反発するセーラ。

父親が住んでいた家で暮らすことにしたセーラだったのだけど、レディとして育ってきた彼女には過酷な土地なことから、ジェイクは彼女をかげながら見守ることにします。
そんな自分を苛立たしく思いながら

カウボーイのジェイクは早撃ちで有名で、彼を倒して名をあげようとする無法者に狙われたり、祖父が先住民族で無法者たちに家族を皆殺しにされた過去をもっていたり、と、心に深い傷を持った複雑な人物。 優しい心を持ちながらも、その気持ちをどうやって表したらいいのかわからない……愛情を感じることに怯え、誰かを大切に思うことも拒絶しようとしています。

ところが、そんなジェイクの頑なな心に触れたのがレディのセーラ。
自分とは釣りあわない、世界が違う、そう何度も言い聞かせながらも、セーラを思う気持ちは止められなくて……。

一方、セーラのほうも荒っぽい無法者のジェイクに反発しながらも、彼が隠している優しい面に触れるうちに惹かれる気持ちを抑えきれなくなっていく。

セーラの父親の死の真相、金鉱にまつわる謎、セーラを狙う影、等々を絡めながら二人の絆は深まっていきます。

なんといっても、カウボーイのジェイクが素敵です 
心に深い傷を負った孤独なカウボーイ。
でも、その彼は傷つきながらも優しさを失わず、ヒロインを気にかけて命がけで守ってくれる。
……ロマンス好きにはかなりツボのヒーローなのでは? 
私はかなり気に入ってます

でも、こういうヒーローはなかなかヒロインに対しては素直になれないのがパターン(笑)
ジェイクも例外ではなくセーラへの自分の愛情を認めることができずに、結構最後までじたばたしてます(笑) どんなに悪あがきしても結局のところセーラからは離れられないのにね

そんなジェイクの抵抗ぶりも読みどころの一つです(笑)
最後は幸せな気持ちになりました


余談ですが、もうひとつ連想したのはルース・ランガンのジュエルシリーズ。
テキサスを舞台に4人の美しい姉妹がそれぞれヒロインとして登場しています。

中でもお気に入りは 『翡翠の涙』

ヒーローは元ならず者で今は牧師という異色の存在。
興味を惹かれる設定ですよね?

シリーズは全部で5作品。

『炎のダイアモンド』 『テキサスの真珠』 『翡翠の涙』 『灼熱のルビー』

そして 『マラカイトの祈り』 こちらはどちらかというとスピンオフといったほうがいいかもしれません。

興味を惹かれた方は読んでみてください。
面白いですよ〜 


| ヒストリカルロマンス | 19:21 | comments(0) | trackbacks(0)|- pookmark
裏切りは愛ゆえに/カレン・フェネック
カレン・フェネック
扶桑社
¥ 840
(2008-04-25)
Amazonランキング: 249642位
JUGEMテーマ:読書


★★★☆(3.5/5)

あらすじ

12世紀イングランド。
女領主キャサリンの居城は、敵の猛攻にさらされていた。 頼るのはかつての婚約者ド・ローラン卿のみ。 窮状を聞いた彼は、結婚を条件に城の奪還を約束するが、五年前に婚約を一方的に破棄した彼女の裏切りを許してはいなかった。
しかもキャサリンには、秘密があった。 攻められる直前、彼女は死別した夫の息子を出産していたのだ。 偽りと裏切りが交錯する中、夫婦となった二人の間に芽生える熱い想いの行方は……(紹介文より)



〜感想〜

かつて愛し合いながらも一方的にド・ローランとの婚約を破棄したキャサリン。
その彼女が領民と息子を守るため、再びド・ローランとの結婚に踏み切ります。随分、勝手な振る舞いだな、と思う行動なのだけど実はキャサリンにはそうせざるを得ない事情がありました。

五年前の婚約破棄の時も、現在の結婚の時にも。
ところが、その理由をド・ローランに言えないという事情があって、キャサリンはド・ローランから ”裏切り者” として憎まれ続けます。
五年前から変わらずド・ローランを愛し続けているキャサリンにしてみれば地獄の責め苦なのだけど、ド・ローランの立場から考えれば彼の態度も無理はないと思います。

そんな状況の中でも、何とかド・ローランの信頼を得ようと努力するキャサリン。
憎みながらも、キャサリンへの愛情を持ち続けていたド・ローガン。

二人の気持ちのすれ違いにもどかしいやら、イライラするやら[:がく〜:]
少し、お互いの気持ちが近づいたと思うたびに、キャサリンを疑うような出来事が起こったり、ド・ローガンの態度をキャサリンが誤解したり……。

しかも、キャサリンには息子の存在をド・ローガンに秘密にしているという負い目があります。最初は打ち明けるつもりだったのだけど、彼のキャサリンに対する憎しみの強さから息子の身に危険が及ぶのでは? と怯えたキャサリンは結局ド・ローガンに打ち明けることができません。 そして、ド・ローガンもまたキャサリンが何かを隠しているのでは? と疑いを捨てきれずどうしても心を開くことができません。

そんな時、ド・ローガンに恨みを持っている聖職者が身分を利用して、キャサリンに対して酷い仕打ちをするという事件が起こります。
酷い火傷を負ったキャサリンの姿に、とうとうド・ローガンは彼女への愛情を隠しきれなってしまいます。そうして、自分の気持ちをキャサリンに打ち明けるド・ローガンにキャサリンもやっと抑えていた自分の愛情を素直に伝えることができます。
お互いの気持ちを知った二人は、過去の出来事を追いやり愛し合うように抱擁

ところが、キャサリンの領地を狙っている領主ラナルフがド・ローガンの暗殺を謀り、その罪をキャサリンになすりつけることに成功。またもや、キャサリンに裏切られたと思ったド・ローガンは再び心を閉ざしてしまう。

……やっと、お互いに気持ちが通じ合ったと思っても、次から次へと邪魔が入りキャサリンの苦労は増すばかり[:がく〜:] 何を言っても信じてもらえず、することなすこと疑われて、しまいには塔に幽閉までされてしまいます。
ここまで酷い目に遭ったら、いいかげんくじけちゃいそうな気もしますがそこで諦めないのがキャサリンの偉いところ。

愛するド・ローガンと息子のために、自分でラナルフを出し抜こうと行動を起こします。
そんなキャサリンの強さには惚れ惚れわーい
でも、その行動がまた誤解の元になっちゃうのだけどたらーっ

何をやっても、裏目にでてしまうキャサリンがいいかげん気の毒になりましたたらーっ 
最後にド・ローガンの誤解は解けるのか? 息子を無事に取り戻すことができるのか? キャサリンの要領の悪さにはハラハラさせられっぱなしでしたひやひや
| ヒストリカルロマンス | 18:22 | comments(0) | trackbacks(0)|- pookmark
七人目の乙女の伝説/ヴィクトリア・ホルト
ヴィクトリア ホルト
バベルプレス
¥ 2,100
(2006-04)
JUGEMテーマ:読書


★★★☆(3.5/5)

あらすじ

コーンウォールのある場所に一つの伝説がある。
それは、神に背いた7人の乙女のうち、6人は石に変えられてしまったというもの。では7人目の乙女はどうなったのか?古い言い伝えに引かれ、自らを七人目の乙女になぞらえた少女ケレンサは、思いもがけない運命を辿ることになっていく。


かわいい前置きかわいい

ゴシックロマンスの一人者とも言える、ヴィクトリア・ホルトの作品です。残念ながら、彼女の作品を手に入れることは難しいのですが、日本リーダーズダイジェスト社から出版されているベスト・ブックスの中に何作か収録されています。こちらは、公共の図書館などに置いてあることがあるので、興味を持った方は図書館の蔵書検索をしてみてください。

〜感想〜

ヒロインのケレンサは下層階級の家庭に育つのですが、少女の頃から上流階級への憧れを抱くようになります。歳の離れた弟をことのほか可愛がり祖母を慕う愛情深い少女でもあるのですが、大人になるにつれて上流階級への憧れが いつか自分も彼らの一員に という野心に変わっていきます。

少女の頃に牧師の娘メリオラの願いで牧師館で働くことになったケレンサ。
牧師の娘のメリオラは、ケレンサを妹のように可愛がり、ケレンサもメリオラの優しさに応えていく。
最初の方こそ、メリオラに対して複雑な気持ちを持っていたケレンサもメリオラが本当に優しいことを知って、姉のように慕うようになります。そうやってしばらくの間は幸せに暮らしていたケレンサだったのだけど、ある日メリオラの父親の牧師が亡くなってしまう。二人は地元の名士のもとで下働きとして仕えることに。

それまで何不自由なく暮らしていたメリオラにとっては、なかなか辛い境遇なのだけど優しいだけでなく、芯の強さを持ち合わせているメリオラはくじけることなく新しい環境に馴染んでいきます。ところが、彼女は幼い頃から恋していた主のジャスティン卿と愛し合うようになってしまい……。

そして、ケレンサもまたジャスティン卿の弟ジョニーに執拗に言い寄られ、身の危険を感じるようになる。ジョニーの誘惑を拒否し続けるケレンサだったのだけど、ふと、ジョニーの 「結婚すればいいのか?」 という問いかけに、彼女がかつて抱いていた野心が目を覚まします。一瞬、心が動いたもののその時も拒否するケレンサ。
ところが、ジョニーの言葉によって呼び覚まされた野心はどんどん膨らんで……。

とうとうジョニーとの結婚を承知するケレンサ。
そうして、ケレンサは望んでいた地位を手に入れ、さらに確固たる力を手に入れるために後継ぎを生もうと決心する。

一方、メリオラのほうは報われない愛に苦しんでいた。
妻のいるジャスティン卿と愛し合いながらも、一線を越えることだけはしないよう自らを戒めていたメリオラだったのだけど、そんな二人の様子が周囲の者にわからないはずもなく、二人の関係は噂に。
その噂を聞いて激しく嫉妬する妻。
そしてある日、彼女が階段から落ちて亡くなってしまう。
メリオラとジャスティン卿の関係を知っている村の住民は、二人が妻を殺したのだと言い出して、メリオラは激しく苦悩することになる。

そんなメリオラを支えようとするケレンサ。
ところが、そのケレンサこそがジャスティン卿の妻の死の真相を話せる唯一の人物。
彼女が本当のことをいえば、メリオラへの疑いは晴れるのだけど、ケレンサにはそうなっては都合の悪い事がありました。
それは、自分が生んだ息子を跡取りにするためにはメリオラとジャスティン卿が結ばれるという事態は望ましくないということ。
そんな事態を避けるためにケレンサは口をつぐみ続けます。
とはいえ、メリオラを愛しているのもまた本当の気持ちで、ケレンサは罪悪感からことのほかメリオラに対して優しく振舞います。

自分の手を汚したことは一度もないにしても、状況を巧みに操って自分の望みの邪魔をするものを排除したケレンサ。家族や、息子、メリオラに深い愛情を注ぎながらも、自分の野心を叶えるためには親友を裏切ることも厭わない。
少女の頃のケレンサと比べてあまりの変わりように、なんだか悲しくなってしまいました。[:がく〜:]

そうやって、自分の望みのままに突き進んでいくケレンサが最後に手にしたものは……

ゴシックロマンスとはいえ、おどろおどろしい雰囲気はそれほどでもなく、ロマンス色もあまりありません。どちらかというと、一人の少女の成長物語 というような感じでした。
| ヒストリカルロマンス | 19:59 | comments(0) | trackbacks(0)|- pookmark
雇われた婚約者 /アマンダ・クイック
アマンダ クイック
ソニーマガジンズ
---
(2006-05)
★★★☆(3.5/5)

あらすじ

19世紀前半、26歳の美女エリノーラは、継父が投資に失敗したあげく急死したため、債権者に財産を奪われてしまった。やむなくロンドンで職探しを始めた彼女が出会ったのは、氷のような男と評される伯爵アーサー。彼が提案してきた仕事は意外なものだった。ある危険な目的のために周囲の目を欺きたいので、自分の婚約者になりすましてほしいというのだ。エリノーラは合意した。その時点では、ふたりともあくまで打算的なつもりでいた。しかし、ふたりの心の奥には、知らぬ間に愛が芽生えていた。



〜感想〜

舞台は19世紀のロンドン。およそ二百年近く昔のイギリス上流階級の話です。


ヴィクトリア女王即位前の時代で、かなり治安が悪く、自警団が結成されてましたが、レベルは低く、市民からの信頼を得るほどの存在でもなかったようです。そんな中、治安判事を務めたヘンリー・フィールディングが直属の私設自警団を作りました。それが後に発展して警察の前身ともなる、”ボウ街の捕り手” です(訳者あとがきより)。 この話の中にも彼らが出てきます。


ヒストリカルロマンスは、そんな当時の時代背景がいきいきと描かれている面白さがあるんだよね〜。この話で当時のイギリス貴族の結婚事情がよくわかります。今の時代と比べると随分と不便だったんだな〜とも思うけど、お金目当ての結婚なんかもザラだったみたい。男性と二人きりになっただけでスキャンダルになりかねないって怖いよ〜。それを逆手にとって、罠にはめてまんまと結婚するっていうこともあったみたい。打算的な結婚は珍しくもなかったようだけど、やっぱり自分の結婚相手は好きになった人の方がいいよね。 


ヒロインのエリノーラは、現実的で前向きに生きている女性。伯爵のアーサーの提案も割り切って受けるんだけど、段々と彼の人柄を知るにつれ惹かれていってしまう。 アーサーも氷の伯爵と呼ばれるほど感情的に冷めた人間だったはずが、エリノーラの魅力に逆らえなくなっていく。 そんな二人がすぐに結ばれるかといえばそうでもない。


女性を愛したことのないアーサーは自分の気持ちをなかなか認めずにじたばたするし、エリノーラは雇われ婚約者という立場をわきまえて、アーサーとの結婚はできないと最初から諦めている。オマケにアーサーの伯父を殺した犯人の魔の手が二人に伸びてきて……。


ロマンスのおおまかな定義は ”二人の男女が困難な障害を乗り越えて恋愛を成就させる” ってこと(らしい)で、それをどういうふうに肉付けするかで、その話の面白さがきまると思うんだけど、同時にヒロインとヒーローが魅力的じゃなきゃ意味ないよね。


エリノーラとアーサーはその期待に十分こたえてくれます。



ちなみに、作者のアマンダ・クイック(ヒストリカル専用のペンネーム)は作品すべてがベストセラーになるという超人気作家の一人。彼女はジェイン・アン・クレンツ、ステファニー・ジェイムズ、ジェイン・キャッスルなど複数のペンネームを使い分けています。作品の違いを比べてみるのも面白いと思いまするんるん
| ヒストリカルロマンス | 19:38 | comments(0) | trackbacks(0)|- pookmark


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