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ジェイン・オースティン,セス・グレアム=スミス
二見書房
¥ 1,000
(2010-01-20)
Amazonランキング:
76797位
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★★★☆(3.5/5)
あらすじ
18世紀末イギリス。
謎の疫病が蔓延し、死者は生ける屍となって人々を襲っていた。
田舎町ロングボーンに暮らすベネット家の五人姉妹は少林拳の手ほどきを受け、りっぱな戦士となるべく日々修行に余念がない。
そんなある日、近所に資産家のビングリーが越してきて、その友人ダーシーが訪問してくる。
姉妹きっての優秀な戦士である次女エリザベスは、ダーシーの高慢な態度にはじめ憤概していたものの…。(紹介文より)
前置き
本作は19世紀英国文学の傑作 『高慢と偏見』 (自負と偏見) にゾンビの要素を組み合わせた ”マッシュアップ” 小説です。 あとがきから知ったんですが、ちなみに ”マッシュアップ” というのは 「既存のものを混ぜ合わせて別のものを作り出す」 という意味だそうです。
有名な女性小説家ジェイン・オースティンの作品に、”ゾンビ” という要素を絡み合わせて、一風変わったホラーアクションロマンス?になっていました
本作は、すでにナタリー・ポートマンが主演で映画化も決まっているとのことで2011年には公開予定とのこと。 映像で観ると面白そうな内容なので、ちょっと楽しみです♪
〜感想〜
18世紀のイギリスで、謎の奇病が発生し死人がゾンビとしてして蘇り人々に襲い掛かるようになっています。 ロングボーンの名士であるベネット家では父親のミスター・ベネットの教育によって5人姉妹は立派な戦士として成長し、社交のかたわら人々を守るため日々ゾンビ退治にいそしんでいるのだけど、中でも長女のジェインと次女のエリザベスの腕前はかなりのもの。
そんなある日、資産家のビングリーが隣家に引っ越してきます。
いくら、戦士として腕が立つといってもやはり年頃の女性に変わりはなく、優しく穏やかで人好きのする性格のミスター・ビングリーに長女のジェインは心を惹かれるようになるのだけど、ビングリーの親友のミスター・ダーシーはベネット家の人々を見下していて……。
そんなダーシーの態度に激しく反発したのが次女のエリザベス。
ダーシーとエリザベスはお互いに嫌いあうようになるのだけど、いつしかダーシーはエリザベスに惹かれるように。
最初は反発しあっているエリザベスとダーシーが、お互いに対する思い込みや偏見を解いて少しずつ想いを寄せ合うようになる様子がよかったです。
オリジナルの 『高慢と偏見』 とは違っていてゾンビが登場する本作では、エリザベスの性格がよりいっそう過激になっていて、腹を立てたときは相手の ”喉を掻っ切ってやる” と言ったり、ダーシーがまだ嫌なヤツだと思い込んでいたときは、実際にダーシーの顔に ”蹴りを入れたり” と、思い切りのいい(笑)、行動をするのがちょっと面白かったです