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チャーリー フレッチャー
理論社
¥ 2,205
(2009-04)
Amazonランキング:
59353位
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★★★★☆(4.5/5)
あらすじ
「人々が消え、時間がこおり、どこからか大量の雪がふってくる。
われわれは、きわめて異様な状況におちいってしまったようだ…」もうひとつのロンドンに最大のピンチが!そしてあかされるイーディの過去。
ジョージとイーディは真実にたどりつけるのか。(紹介文より)
〜感想〜
『アイアンハンド』 で、ウォーカーを追放したジョージとイーディたちだったのだけど、そのウォーカーと入れ替わりに 何か”が ロンドンへ侵入してしまいます。
その”何か” とは、かつて 「造り主」 が閉じ込めたはずの闇で、ロンドンに入り込んだソレは 「氷の悪魔」 となって、雪を降らし、人々を消し、さらには時間すらも凍りつかせてしまう
そして、”ロンドンストーン” に閉じ込められていた”古い闇” を解放し、二つの闇は協力して”タイント”たちを操り、 ”スピット” たちに攻撃を仕掛け始める
彫像たちは、戦いの中で壊れても朝までに自分の台座に戻る事ができれば、元通りの状態に戻ることができるのだけど、「時間が止まった」 状態では、それはそのまま彫像にとっての ”死” になってしまいます。
「氷の悪魔」 と 「古い闇」 の激しい攻撃に、”スピット” たちは次々と斃れていって……
ジョージとイーディ、ガナーは事態を収拾するために何をすればいいのか、と再びスフィンクスに尋ねることに。 すると、すでにそこには同じことを考えたスピットたちが集まっていて、大騒ぎになっています。 そんな彼らをよそにスフィンクスは 「正しい質問を」 と、いつものごとくマイペース
そこでジョージはスフィンクスが自分の質問を待っていることに気づき、問いかけます。
「僕は何をすればいい?」
そう、すべての出来事はジョージが彫像を壊したことから始まりました。
そのことが、一連の出来事を引き起こし、ついには「氷の悪魔」を招き入れる事態にまで発展
決着を着けるのは、やはりジョージでなければいけません。
最初から、そのことに責任を感じて自分を責めていたジョージは、スフィンクスの答えを聞いて行動を起こします。
ただ、困ったことが
”過酷な道” を選んだジョージには、あと1つ試練が残っていて、その試練を受けるために残された時間はあとわずか。 もし、時間に間に合わなければ待っているのは死あるのみ
限られた時間の中で、ジョージは試練に打ち勝ち、スフィンクスの答えの謎を解いて、「古い闇」 を閉じ込め、さらに 「氷の悪魔」 を倒さなければいけません。
…… 大仕事ですね
でも、そんな大変な状況の中でも、逃げ出さず、一生懸命戦い続けたジョージに感動
そして、
『ストーンハート』 から、行動を共にしているイーディとガナーはもちろんのこと、ジョージを助けて一緒に戦う”スピット” たちの姿にも、思わず胸が熱くなりました
特に、今回イーディの隠された過去が明かされることになっているのだけど、その過去は思いがけずジョージにもかかわりがあることがわかります。 そのことが、「氷の悪魔」 との戦いの時に重要な意味を持っていて……。
ジョージを軸にしてくり広げられる悪の彫像 ”タイント” と 善の彫像 ”スピット” に象徴される ”闇” と ”光” 戦い の様子に、最初から最後までドキドキしっぱなしでした
何よりも、ジョージとイーディが彫像たちと友情を深めていく様子に感動せずにはいられませんでした
ワクワクしながら読める楽しい作品でした
ちなみにタイトルの 「シルバータン」 とは ”銀の舌” という意味で、ジョージが「氷の悪魔」を倒す方法を見つけるためのヒントの言葉です。