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井川 香四郎
講談社
¥ 600
(2008-02-15)
Amazonランキング:
115151位
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★★★☆(3.5/5)
あらすじ
正義感が強く、町人からお白洲で裁きを行なう吟味方与力となった藤堂逸馬。
“くらがり(迷宮)”入りした町娘殺しを探索し直していた逸馬に、正体不明の影が迫る。
北町奉行・遠山金四郎と南町奉行・鳥居耀蔵の対立が事件の背後に見え始めた時、新たな殺しが―。(紹介文より)
〜感想〜
『日照り草<梟与力吟味帳2>』 に続く3作目です
迷宮入りした事件を探索しなおしていた逸馬は、思いがけず同じ人物をパチ助が探っている現場に居合わせて……。 お互いが追っている事件に関わりがあることがわかり、信三郎も巻き込んでお馴染みの3人が活躍します
そして、公事宿「叶屋」の真琴は相変わらず逸馬に噛みついて手こずらせてます(笑)
困る逸馬の様子が可笑しくてつい笑ってしまいました
ただ、ちょっと気になるのは冤罪をはらすことに一生懸命になりすぎて、偏った見方しかできなくなるんじゃないかな、ということ。
実際、過去に役人に事件をもみ消されたことがあったり、と苦い経験をしているようなので、そんな真琴の態度は無理もないのだけれど、もう少し逸馬を信頼すればいいのにな、と思ったり。
どちらも強烈な個性の持ち主(笑)なので、しばらくはぶつかりあっていくんでしょうね〜
シリーズも3作目となると、内容にも深みが出てきました。
幼馴染の3人組みが、色々な事件のあれこれを解決していく人情もの、と思っていましたが、少しひとひねり入ってます(笑)
北町奉行所といえば、遠山の金さん(笑)ですが、対の南町奉行所の奉行は鳥居輝蔵。 あるところでは ”妖怪” なんぞと呼ばれているなんとも怖ろしい人物で、何かと策略を張り巡らせては人を操って事件をおこしまくってます
その度に逸馬をはじめ、金さんが鳥居の悪事を暴こうとするんですが伊達に妖怪と呼ばれているわけではなく、自分だけはいつも上手く難を免れてます。 なんとも腹立たしいのだけれど、でも、そんな逸馬たちと鳥居のかけひきや、化かしあいが面白かったです
次は
『花詞<梟与力吟味帳4>』 です。