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刀語 第十話<誠刀・栓(せん)>/西尾 維新
西尾 維新
講談社
¥ 1,155
(2007-10-02)
Amazonランキング: 86024位

JUGEMテーマ:読書


★★★★ (4/5)

あらすじ

虚刀流・鑢七花と奇策士・とがめが蒐集する変体刀は、いよいよ十本目。
対象は誠刀『銓』、所在は陸奥の百刑場。
そこは、先の大乱を導いたとがめの父・飛騨鷹比等が、七花の父・鑢六枝に斬殺されたという呪われた土地だった。
いまは何もない原っぱ―百刑場に突如出現した“仙人”は、とがめの心をかき乱し、七花に“意識”の戦いを強いる!刀語、第十話の対戦相手は、変幻自在の彼我木輪廻。(紹介文より)


〜感想〜

『刀語 第九話<王刀・鋸>』 に続く10作目です。

今回は今までとはちょっと違った展開で、七花ではなくとがめが刀を手に入れるために ”誠刀・栓” の持ち主、彼我木と渡り合うことになります。
といっても、戦うわけではなくて彼我木はすでに ”誠刀・栓” を手放していて、こともあろうに土中に埋めたといいます。
ただ、その場所は曖昧で……
刀がほしければ、掘り出せばいいということらしいのだけど、でも、掘るのは七花ではなくとがめがしなければならない、と言い出します。
心配する七花をよそに、とがめは 「やってやる」 とかなりの意気込みでひたすら ”誠刀・栓” を見つけるために掘り続けるのだけど……。

今回、”誠刀・栓” の持ち主がいる場所、陸奥の百刑場は実はとがめの父親が領主をしていた土地で、尾張幕府に反逆したことで処刑された地でもあります
とがめにとっては辛い過去を思い出させる場所なだけに、いつものキレをなくしたとがめの姿を見て七花はかなり心配するのだけど、でも、そんな七花の父親の六枝がとがめの父親を処刑した張本人 複雑な気持ちになる七花だったのだけど、そんな七花とただひたすら土を掘り続けるとがめの姿を見ながら、彼我木は謎掛けのようなことを言うばかり。

この彼我木はただの人間ではなくて ”仙人”でもあるので、人には見えないものや気づかないことがわかるようで……七花にはさっぱり理解できないのだけど、とがめに彼我木の話を伝えると 「そういうことか」 と彼女には思い当たることがあるらしく、今まで続けていた作業をやめてしまいます。 そして、途中で掘り当てていたもののガラクタだとよけていた物体を手にします。
実は、それこそが ”誠刀・栓” でした。
”刀” にはとても見えない形ではあるけれど、四季崎の今まで集めた9本の完成形変体刀はどれもそうなので、今更というところでしょうか

そうして、とがめは彼我木の目論見を見破り彼に語りかけるのだけど、そうすることで同時に自分でも忘れていた過去のことを思い出すことになります。
刀集めの旅も終わりに近づいてきたせいか、とがめ、七花、否定姫、左右田右衛門左衛門、鳳凰といった生き残った主要人物それぞれの謎だった過去や想いなどが、明らかにされてきています。

今回はとがめだったわけですが、これで一つの区切りがついたような感じです。 とがめが七花のことを恨んでいないこともわかり、七花との旅の終わりがひょっとしたらハッピーエンドかも と思えるような雰囲気になってきました
できればこのまま進んでいってもらいたいものですが……。

次の 『刀語 第十一話<毒刀・鍍>』 に続きます

| ふぁんたじぃー | 22:01 | comments(0) | trackbacks(0)|- pookmark
刀語 第九話<王刀・鋸(のこぎり)/西尾 維新
西尾 維新
講談社
¥ 1,155
(2007-09-04)
Amazonランキング: 114857位

JUGEMテーマ:読書
 
★★★☆ (3.5/5)

あらすじ

出羽は天童将棋村―。
無刀の剣士・鑢七花と奇策士・とがめは、王刀『鋸』を振るい、心王一鞘流をたった一人で守る汽口慚愧の道場を訪ねる。
とがめがめぐらした奇策に、全身全霊で攻め入る汽口!一方で、否定姫配下の元忍者・左右田右衛門左衛門による真庭忍軍への残忍な粛清は静かに続く―!刀語、第九話の対戦相手は、心王一鞘流当主、汽口慚愧。(紹介文より)


〜感想〜

『刀語 第八話<微刀・釵>』 に続く9作目です。

今回の相手は汽口という、今まで戦ってきた刀の持ち主たちとは違って、”真っ正直で誠実” な、まぶしい(笑)人物。
”王刀” というだけあって、持ち主も ”王” の名に相応しい人物になる、ということなのかもしれません。

そんな、とっても真っ当な気性の持ち主の汽口は、七花と戦うにも ”丸腰”の相手に刀で向うことはできない、と言い出します。
なので、七花に刀を持たせて戦おうとするのだけど、七花は刀を持って戦うと弱くなる、という体質(? )なので、刀を持っての戦いで七花が勝てるはずはありません。

もちろん勝ったのは汽口。
七花にしてみれば、無刀のほうが強いだけに何とか汽口に説明しようとするのだけど、とにかく真っ当な気性の汽口はわかってくれません。
そうして、意外なことを言い出します。
多少なりとも戦えるように、自分が七花に剣を教える、と
……どこまでも正々堂々の汽口にさすがの七花ととがめも調子が狂ってしまうのだけど、とりあえず七花は汽口に剣を習うことに(笑)

一方、とがめのライバル ”否定姫” も右腕の左右田右衛門左衛門に、何かと裏で画策している”まにわに”(真庭忍軍)を束ねる首領”鳳凰”を排除するよう命じます。
七花が剣を習っている間に(笑)、まにわにの鳳凰と左右田右衛門左衛門との戦いが繰り広げられるのだけど、どうやらこの二人は過去からの因縁があるようで……。
謎めいた元忍び、左右田右衛門左衛門の過去が明らかにされてます。
なかなかシブくてカッコいい左右田右衛門左衛門なんですが、敵に回すとなんとも手ごわい相手だというのがひしひしと伝わってきて、七花が彼と戦ったら苦戦しそうな感じです。
そんな時が来るまでに、七花にはもっと強くなってほしいものですが。。。

とりあえず、今の相手 ”王刀・鋸” の持ち主、汽口との戦いが先です。
なんだかんだで、剣の稽古を終えた七花は再び汽口との対戦をすることになるのだけど、多少はましになったとはいえ、やはり勝てるはずもありません。
そこで、 ”奇策士” とがめの作戦がものをいうことになります。
いつも思うんですけど、よくもまあ、そんな策を考え付くものだと感心させられます。まさに ”奇策” という感じで。
七花を信頼して心を開くようになってから、まさにバカップル(笑)という感じのとがめですけど、やはりいざというときは頼りになります

そして、やはり今回もとがめの策が見事に成功。
七花は汽口に勝ち ”王刀・鋸” を手にすることができました。
これで、残りの刀は ”誠刀・栓” ”毒刀・鍍” ”炎刀・銃”のあと3本
どの刀の持ち主も手ごわい敵なことは確かで、七花自身に関する謎も出てきたりしているので、色んな意味でこれからの展開からは目が離せません

次の 『刀語 第十話<誠刀・栓>』 に続きます。

| ふぁんたじぃー | 13:15 | comments(0) | trackbacks(0)|- pookmark


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