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パトリシア・C・リーデ
東京創元社 ¥ 2,730 (2010-09-29)
Amazonランキング:
900715位
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あらすじ
魔法の森の奥深く、広いポーチと赤い屋根のこざっぱりした灰色の家に、ちっとも魔女らしくないはみだし魔女のモーウェンと、黒以外のあらゆる毛色の九匹のネコが平和に暮らしていた。
ところが、魔法の森の平穏もつかのま、魔法使い協会が、森の要である、王の魔法の剣を盗んだことが判明。
これは放っちゃおけぬとばかり、モーウェンとネコたちは、魔法の森の王妃シモリーン、魔術師テレメイン、ドラゴンのキング、魔法でロバになったウサギもいっしょくたに、魔法の剣を求めて旅に出る。
可愛くて元気なファンタジー・シリーズ第三弾。
〜感想〜
『消えちゃったドラゴン<魔法の森2>』 に続く3作目です。
前作で、めでたく結ばれたお姫様らしくないお姫様シモリーンと王様らしくない王様メンダンバーでしたが、平和なときは長くは続かず……またもや魔法使いたちが陰謀を企みます。
いち早く異常に気づいたのは最初から何かとシモリーンを助けてくれた魔女モーウェンで、本作では彼女が主人公になって活躍します。 モーウェンを助けるのは彼女の使い魔の9匹()の猫たちなのだけど、それぞれ個性的で魅力たっぷり
思わずにやりとするようなやりとりが楽しかったです。
今回もまた悪企みをしているのはお馴染み(笑)の魔法使いたち。
本当によくもまあ懲りないもんだ、と呆れちゃいますが、今回はちょっと一味違っていて魔法の森の要でもある、メンダンバーが持っている”魔法の剣” を盗むという大胆なことをやってのけます。
魔法の剣を使えるのは、王であるメンダンバーだけではあるものの、ある程度時間がたつと森の魔法の力が剣から洩れてしまい、魔法使いたちにも利用できるようになってしまうことから、モーウェンたちは剣を取り戻すために、手がかりを追って旅にでます。
ただ、メンダンバーが魔法の森から出てしまうと守りの魔法が解けてしまうことから、彼は城に留まることになります。 シモリーンは妊娠しているので、メンダンバーとしては彼女にこそ残ってほしかったのだけど、おとなしく言うことをきくはずもなくシモリーンとメンダンバーは別行動をすることになります。
そうして魔女のモーウェンと猫たち、魔術師テレメイン、シモリーン一行は剣の行方を追って行くのだけど……。
やはり、トラブル続き
それでも、気心の知れた者同士のチームワークの良さでトラブルの数々を切り抜けて、魔法使いたちから剣を取り戻すことに成功します。
ところが城に残ったメンダンバーに思いがけない危機が……
ドラゴンたちの協力で魔法使いたちを城から追い出すことはできたものの、城の周りに見えないシールドが張られ誰も城の中に出入りをすることができなくなってしまいます。
閉じ込められたメンダンバーはどうしているのか
心配でいてもたってもいられないシモリーンだったのだけど、唯一シールドを破ることができる魔法の剣を扱えるのは魔法の森の王の血筋を引くものだけ。
どうすることもできず、シモリーンたちはお腹にいる赤ちゃんに望みをかけることになります。 子供が成長して魔法の剣に認められていつかメンダンバーを救うことを願い、シモリーンはその時まで魔法の剣を隠し、自分も魔法使いたちに見つからないようにひっそりと暮らすことに……
さすがに魔法使いたちもやられっぱなしではいられなかったようで今回はシモリーンたちも苦戦することになりました。
果たして、メンダンバーを救い出すことができるのか
次の完結巻 『困っちゃった王子さま<魔法の森4>』 に続きます。